動物型にげだしじょう[★★]

[初出誌] 『動物がたにげ出しぐすり』、「小学三年生」197511月号、6頁、38コマ

[単行本]  『動物型にげだしじょう』、「てんとう虫コミックス ドラえもん第10巻」1976425日 初版第1刷発行、6頁、38コマ

[大全集] 『動物型にげだしじょう』、「藤子・F・不二雄大全集 ドラえもん 62010330日 初版第1刷発行、6頁、38コマ

 

【初出誌vs.大全集】

 タイトル『動物がたにげ出しぐすり』が『動物型にげだしじょう』に変更

 

 [梗概] 広場でボール遊びをしていたら、ジャイアンがかなりきげんの悪い顔でやってきた。こんなとき、近よるとろくなことがないということになり、遊びをやめて帰ることになった。

 

  その話をドラえもんにすると、「だらしないなあ」と言われてしまったが、事情が事情だけに、ひみつ道具『動物がたにげだしじょう』を出してくれた。この錠剤はピンチになると自動的に、カメ、スカンク、カメレオン、トカゲといった動物と同じ働きをするものである。

 

 ひみつ道具の話をすると、スネ夫はおもしろいなあと言いながら、四種類の錠剤を「パク」と全部飲んでしまった。のび太が「ずるい!」と叫びながら、追いかけると、スネ夫はカメレオンのように周りと同じ色になって、のび太の追跡をかわしている。

 

 スネ夫が土管の上に座っているジャイアンに近づいて行くと、ジャイアンは「なにをにやにやしてるんだ。おれの顔になんかついてるか」と凄んできた。スネ夫は「べつになにも。もともとおかしんだよ、きみの顔は」と言ったので、ジャイアンは「いったな!!」と顔を真っ赤にして、スネ夫の胸ぐらをつかんでいる。

 

  ジャイアンが「ブウン」と殴りかかると、カメのように顔や手足をひょいと引っ込めている。そして、顔と手足を引っ込めたスネ夫をジャイアンが思いっきり足で蹴ると、「アチャー」と悲鳴をあげ、「足をくじいたあ」と大騒ぎしている。

 

 のび太がスネ夫に「くすりかえせっ」と追いかけ、シャツやズボンをつかんで引っ張ると、トカゲのように、「べリ」と破り捨てて、スッポンポンの状態で土管の中に逃げこんでしまった。のび太が「はだかじゃにげられないぞ。あきらめてでてこい」と怒鳴ると、土管の中から変なにおいがしてきた。

 

  スネ夫も「なにもどかんの中でなんか…。オエー」と言いながら、はいずり出てきた。のび太はこれこそスカンクの強烈な臭い攻撃だと思った。

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