めんくいカメラ[]

[初出誌] 『めんくいカメラ』、「小学三年生」19756月号、4頁、27コマ

[単行本]  『めんくいカメラ』、「てんとう虫コミックス ドラえもん第8巻」1975725日 初版第1刷発行、4頁、27コマ

[大全集] 『めんくいカメラ』、「藤子・F・不二雄大全集 ドラえもん 62010330日 初版第1刷発行、4頁、27コマ

 

【初出誌vs.大全集】

 「おおい、写していいよ」が「おうい、うつしていいよ」に変更[184(9)]

 「うぬぼれ屋のジャイアンが、どんなにいかりくるうか、そうぞうがつかないのか」が「うぬぼれ屋のジャイアンが、どんなにいかりまくるか、想像がつかないのか」に変更[185(2)]

 

 [梗概] ドラえもんは「つゆになると、レンズにまでカビがはえる」と言いながら、カメラを磨いていた。のび太が珍しいカメラだというと、ドラえもんはそのカメラをサッと隠してしまった。一枚ぐらい撮ってと強引に頼むと、ドラえもんは使わないほうがいい、きみのためだと断っている。

 

  このひみつ道具は『めんくいカメラ』というもので、みにくいものやこっけいな顔など、標準以下のものを写さないカメラである。

 

 ドラえもんがきずついてもしらないと言ったが、のび太は「お、おもしろい。とってもらおうじゃないか」とチャレンジしてきたので、「カシャ パッ ペッ」と写して出して見ると、「それみろ、いわんこっちゃない」という結果になった。

 

  のび太が「じゃ、きみはどうなんだ!」と写そうとすると、ドラえもんは「とるならちょっと待ってくれ」と、階段を「ドタ ドタ」と逃げながら降りている。

 

 のび太のママが「美容院に行ってきたところなの。一枚写してもらおうかしら」とリクエストしたが、のび太はキッパリと、「ぼくにはできません。そんなざんこくなこと」と断っている。

 

  しずちゃんはなんだか怖いと言いながらも、のび太に写してもらうと、はっきりと写り、ニコニコ顔でああよかったと感想を漏らしている。一方、スネ夫も顔が写らないので、悔し涙を流していた。

 

 そこへ、ドラえもんが頬紅と口紅をつけ、まつげをかいてやってきて、写してもらおうとした。しかし、ジャイアンの番であるというので、ドラえもんは心配になって、「うぬぼれ屋のジャイアンがどんなにいかりまくるか、そうぞうつかないのか」とのび太をたしなめている。

 

  その上、「きみがなぐられることはもちろんだが、カメラもめちゃくちゃに…」と注意すると、カメラは「ギク」と驚いている。

 

 ジャイアンが「なにぐずぐずしてやがる。さっさととらねえとカメラをぶっこわすぞ!」と脅してきたので、写すとジャイアンの顔がバッチリ写っていた。勝ち誇ったジャイアンは、口をあんぐり開けたスネ夫としずちゃんの目の前で、「やっぱり! おれがきれいだってことは、科学的にしょうめいされたんだ」と豪語している。

 

  困惑したドラえもんの隣で、のび太は「カメラのくせに、心にもないおべっかを…」と、カメラにつぶやいている。

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