進路アドバイザー[★★]

【道具解説】 ひみつ道具である『進路アドバイザー』を「カチ」と押し、「のび太の進むべき道を教えて欲しい」と頼むと、「カタ カタ」と音がして、「左 直 左 右」といった答えが、テープにアウトプットされる。 

 

【使用目的】 ジャイアンが打ち込まれたので、今年の初試合もぼろ負けであった。しかし、ジャイアンから、毎日、三時間の自主トレーニングをやれと命令されたので、のび太はどうしたらいいか分からなくなったので、ドラえもんに相談すると、「進路アドバイザー」を出してくれた。

 

【使用結果】 のび太が「進路アドバイザー」を「カチ」と押すと、「カタ カタ」と答えが出てきた。その答えは「左 直 左 右」であり、家を出て左に曲がり、真っ直ぐ進み、左右に曲がると指定された場所に到着した。

 

  目の前を大きなトンカツをくわえて逃げる野良猫のクロに遠くから石を投げ、「ビシ ギニヤ!!」と命中させた男の子が現れた。その子は遠くはなれた枯れ葉を抜群のコントロールで全部「ピシ ピシ ピシ ピュ ピュ」と落としてしまった。

 

 アドバイザーが教えてくれたのはこれだと思い、ジャイアンに「すごいピッチャーなんだ! ジャイアンズに入れば、優勝まちがいなし!」と報告すると、「ジャイアンズのエースはおれだ!!」と怒鳴られてしまった。

 

  しばらくすると、ジャイアンが「さっきはついかっとして悪かった。わかってるんだ。最近のおれにはエースの資格がない…。どんな名選手にも引退のときがくる。おれはマウンドをおりるよ、つらいがチームのためなら…、おれは…。ぜひ、その名投手をスカウトしてくれ!!」と頼まれた。

 

 のび太がアドバイザーを使うと、「左、直、直、直、右、左…」とけっこう遠かったが行ってみた。のび太が「わがジャイアンズのエース投手としてむかえたい」というと、「ひと足おそかったみたいね。ついさっき、チラノルズというチームにさそわれて、けいやく金がわりにと、おもしろいまんがを、三さつもおいていった」という話だった。

 

  結果を報告すると、ジャイアンから「むこうがまんが三さつならこっちは五さつだ!! スネ夫、おまえのまんがもってこい!!」となった。

 

 五さつのまんがはおもしろいといってくれたが、「結論をいそがないで。チラノルズがくれたおかしはうまいなあ」となったので、のび太はドラえもんとのび太のおやつであるメロンを持って出かけ、おいしく食べてもらった。

 

  その子は「入ってもいいんだけど…、役に立てるかなあ。ぼく頭が悪いんだ。毎日宿題で、夕方までかかっちゃう」というので、アドバイザーを使うと、出木杉の家に行き、彼に宿題のめんどうをみてもらうことにした。

 

 「寺野くんの兄さんの大学生が、宿題をやってくれるって。チラノルズに入るよ」とのび太に告げた。そこへ出木杉から話を聞いたしずちゃんがやってきて、「宿題を人にやらせるなんてずるいと思うわ!!」と非難すると、その子は「かわいいなあ。この子だれ?」、「ぼくの友だちだけど…」と知らせると、「この子がぼくの友だちになるならジャイアンズに入ってもいいや」と言い出した。

 

  のび太は「もういい!! おまえなんか、こっちからおことわりだ!!」と顔を真っ赤にして怒鳴りつけた。

 

 ドラえもんが「チラノルズ入団が正式に決定したの。ジャイアンがおこってるだろうな」と尋ねると、のび太は「おこるならおこれ!! もうがまんできない!!」と猛烈に腹を立てていた。

 

  そこへ、渋い顔をしたジャイアンが「おうのび太。悪いけどさっきの話なかったことにしてくれ。どう考えてもやっぱりエースの座をゆずるなんていやだ!! マウンドはおれの生きがいなんだ!!」と訴えにやってきた。

 

 数日後、ドカンのある広場で、チラノルズのキャプテン寺野が「あいつめ、このおれをからかいやがって!!」と激怒していた。ジャイアンもスネ夫も「二、三日しんせきへ遊びにきてただけ?」、「もう帰ちゃったの?」と笑いが止まらない様子であった。

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