真空ソープ[★★]

【道具解説】 『真空ソープ』はスプレータイプで、一瞬で全身をシャボンの膜で包んでしまうひみつ道具である。寄生生物であるヤドリもこのスプレーをかけられると、瞬時に固まってしまった。

 

【使用目的】 しずちゃんがお風呂に入っていたら、ヤドリが侵入してきたので、「真空ソープ」のスプレーを浴びせている。

 

【使用結果】 のび太がボームさんにちょっとと呼び掛けたので、いってみると突如、鉄の大きなトンカチで「ワ!! 人間め!! 人間め!!」と攻撃された。ボームさんが体勢をかわしたすきに、しずちゃんがのび太に「真空ソープ」のスプレーを「プシュ」とかけたので、のび太は「ポト バッタ」と前に倒れてしまった。

 

  失神から目覚めたのび太がボームさんを襲ったときいてびっくりしていた。ドラえもんももとに戻ったスネ夫を連れてきた。スネ夫は「ぼく…、夢でもみてたみたいで、みんなに悪いことしちゃった」とわびていた。ジャイアンがいないのに、みんなは気づいた。

 

 坑道の中で道に迷って困っていたジャイアンが人の声がしたので、行ってみると、迷子になっていたジェーンとドンに会うことになった。二人からSLがあると知らされたので行ってみると、禁断の星を脱出できるSLが目の前にあった。

 

  出口がなかったので、ジャイアンは運命に逆らえないと落胆しながら、ポケットをさぐったらなんかに触れた。

 

 ドラえもんがあちこち探すと、坑道の前にジャイアンの足跡が付いていたので、みんなで中に入ると、「ゴ・ゴ・ゴ・ゴ…ドドーッ」と坑道が崩れてしまった。みんながもうジャイアンと二度と会えないと思って引き上げると、「シュッ シュッ ボッ ボッ」と岩の中からSLが現れ、機関車の上に乗ったジャイアンが口に巻き物をくわえ、「忍法壁ぬけ」!! と呪文を唱えていた。

 

 SLに水、食料のほか役に立ちそうなものを積み込み、辺境警部隊の星まで一日かかる運命の旅に向けて出発した。ヤドリ軍団は「強力な重力波波動をキャッチ!! レーダーでも、SLの影を捕らえた。右舵いっぱい!! 右舷前方にSL発見!! 両舷全速前進!」を指示した。

 

 SLは間もなく追いつかれるので、星屑の密集地帯へ入った。ヤドリ軍団は「衝突のおそれがあるので両舷減速! 帆をしぼれ!!」と命令を下したが、天帝は「減速の必要なし!! 砲撃開始!! 星くずをくだいて進むのだ!!」と命令を変更した。

 

  「ドガ ドガ ドガ ガン」と集中的に機関車がねらわれ、操縦不能になったので、星に不時着陸することになった。

 

 ドラえもんたちは待ち伏せていて、シャボン液のボンベなどを総動員して、集中的に「真空ソープ」のスプレー攻撃を展開した。天帝である金ぴかのUFOがヤドリ軍団の船に飛び込み、「ガハハハハハ… ヤドリ天帝の力を思い知らせてやるぞ」と巨大なロボットにとりついた。

 

  ドラえもんは「食べたり成長したり生物として、活動はできなくても、コンピュータを、あやつることぐらいできるんだ」と解釈した。

 

 巨大なロボットには、液が届かないどころではなく、まったく「真空ソープ」のスプレーの効果も期待できなかった。「おろかな人間どもめ、逃げきれると思うのか」と、「ズシ…」と前進し、腕を組んで岩場の上に立っていたのび太を「ガハハ…、腰抜けたのか」と罵りながら、「スウ」とつかみ上げて、掌の上にのせた。

 

 金ぴかのUFOが「そうだ! 手はじめにおまえにのりうつってみよう」と言いながら、口から「ピッ」と出た瞬間、のび太は「サッ プシュウーッ」と「真空ソープ」のスプレーをかけ、「ポトン」と落下させた。すると、巨大なロボットは「グラ」と揺れ、「ドカ」とぶっ倒れた。ヤドリが逃げていくのをはっきりと確認することができた。

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