進化退化放射線源[★★]

【道具解説】 ひみつ道具である『進化退化放射線源』のダイヤルで、時代を調整して、「ジジジ…」と放射線源を品物に浴びせるとると、その時代にふさわしい製品(自動タイプ鉛筆やネズミ取り)になる。

 

【使用目的】 新しいラジオを買ってもらえないので、のび太は古い親を持った子は不幸だと言いながらふて寝をし出したので、ドラえもんは「進化退化放射線源」を取り出している。

 

【使用結果】 ドラえもんがヘヤードライヤータイプの「進化退化放射線源」のダイヤルを十年進めて、「ジジジ…」と古いラジオを照射すると、最新型のものになった。逆に退化させると、古いラジオはラジオが発明されたころの物になってしまった。

 

 のび太が鉛筆を照射すると、「自動タイプえんぴつ」になり、マイクにしゃべると、カートリッジの色素が光圧で紙に吹き付けて文章を完成してくれた。電灯を照射すると、電灯がなくなって、天井と壁全体が光り出した。

 

  この機械は本来、「生物の祖先をさぐったり、進化のゆくえをさぐるためのもの」である。おくれているパパを「ジジジ…」と照射すると、退化になっていたため、どてらを着たゴリラのようなものになってしまった。

 

 生物の進化はあぶなっかしいから、動物実験をすることになった。はじめに、手頃なネズミ捕り機に捕まったネズミで初めようとしたら、ドラえもんは「キャア」と叫んでどこかへ行ってしまった。

 

  この機械でネズミをどんどん退化させると、げし歯類の先祖、ほ乳類の先祖、ほ乳類型は虫類、最後は、は虫類の中でも原始的なはい竜類に退化してしまった。巨大なはい竜類になったので、もとのネズミに戻そうとしたが、動き出して部屋を出て行ってしまった。

 

 パパやママを驚かせ、外に出ると、「大トカゲだ」、「恐竜だ」と大騒ぎになった。ドラえもんに助けを求めても、出てこないので、近くにあったネズミ捕り機を進化させた。すると、この進化した機械は「キーン キーン キーン」と音を出しながら、自分で獲物を探しに出かけ、獲物を見つけると、自分で「スポッ」と捕獲してしまった。

 

 ドラえもんから返すように催促されたが、のび太はパパを進化させてから返すことにした。進化したパパは機械にたよりすぎて手足は退化し、脳ばかりが発達して大頭になり、汚れた空気を吸わないように鼻毛が長く伸びていた。

 

  ママが「キャッ」と悲鳴をあげて逃げるので、パパは「なぜ逃げるんだね」と穏やかに、タバコを吹かしながら尋ねている。

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