招待錠[★★]

【道具解説】 ひみつ道具である『招待錠』を半分に「パキ」と割り、「半分はお客を呼びたい場所におき」、もう半分を招待したい人に「パク」と飲ませると、必ずきて欲しい人を呼ぶことができる。

 

【使用目的】 学校でしずちゃんに中国の恐竜展に話をしてあげると約束していたら、スネ夫がしずちゃんに恐竜の卵の化石を見せてあげると誘い出した。しずちゃんがスネ夫の方へつい行ってしまうので、ドラえもんに「招待錠」を出してもらっている

【使用結果】 「招待錠」を使えばどんなお客さんでも呼べることがわかったので、半分をこっちに残して、半分はタイムマシンで大昔の中国へもっていって、恐竜に配る計画を思いついた。この「招待錠」は時間を超えて働くので、半分を大昔の日本へもっていく必要性はなかった。

 

 ドラえもんとのび太はタイムマシンで一億三千七百万年前、ジュラ紀と白亜紀の境目あたりの中国大陸へやってきた。化石の発掘分布地図を頼りに、「どこでもドア」を使って恐竜を探すことにした。

 

  山東省ではチンタオサウルス、四川省ではトウジャンサウルス、その他の省ではズンガリプテルス、肉食怪獣のユンチュアノサウルス、絶対欠かすことのできないマメンチサウルスに次々と招待錠を与えることができた。多くの恐竜はのび太の部屋をめざして、長い長い旅に向けて移動を開始しだした。

 

 帰りがけに「どこでもドア」で、恐竜のたどり着く当時の日本へ立ち寄ってみることにした。すると、陸はなく、東京なんかは海の底であり、現在のような日本列島ができたのはず~っとあとであることに気づいた。はるばる日本へやってくる恐竜たちは招待錠の力にはさからえないから、海の底へ…」ということになった。

 

 「わ~ん、たいへんなことしちゃった!! ぼくがよけいなこと考えたからだ」と泣きながら、タイムマシンで帰ってきた。のび太が家でショボンとして泣いていると、ドラえもんが部屋には、招待錠のかけらがひとつもないことに気づいた。ママに尋ねると、「あんまりちらかっていたから、おそうじしました!!」という返事であった。

 

 タイムマシンに乗って戻ってみると、招待錠が消えたので、恐竜たちが三々五々引き返していく姿をはっきりと目にすることができた。家に帰って、のび太とドラえもんは「お母さま!! おそうじしてくださってありがとう」と満面に笑みを浮かべて、感謝していた。ママは「?」の状態で、何が何だかよく理解できなかった。

 

 こっちはよかったけれども、しずちゃんのほうがどうなったか、タケコプターで使って会いに行くと、「悪いけど…、卵の化石みにいくわ」という返事が返ってきた。のび太がドラえもんに泣いてそのことを告げると、ドラえもんも空っぽになった招待錠のケースを見せながら、「ぜんぶ、恐竜たちにあげちゃったよ」とお手上げといった表情であった。

[S10514A31058058108258]