自動販売タイムマシン[★★]

【道具解説】 ひみつ道具である『自動販売タイムマシン』を使うと、昔の物価の安い時代から品物を買ってくることができる。

 

【使用目的】 ドラえもんの出掛けた後、のび太が部屋に入ると「自動販売タイムマシン」が置かれていた。

 

【使用結果】 のび太が試しに「チェリーがでるとたすかる」と言いながら、百五十円を入れて、「自動販売タイムマシン」のレバーを「ガタン」と引くと、「ウ~ン ル ル ル」という音がして、「ドカ ドカ」とたくさんのチェリーが出てきた。

 

  ママからインクを頼まれたので、二百五十円を入れて、「インクがほしいんだ」と頼むと、「ドカ ドカ」と一個三十銭のライトのインク瓶が大量に出てきた。

 

 年輩の人に見てもらったら、昭和の初めごろの一個十銭のチェリータバコであると判明した。この話を聞いて、のび太は昔の物価の安かった時代の品物を買うことのできる、タイムマシンタイプの自動販売機であると考えた。

 

  そして、のび太は今の貯金でカメラが買えるかもしれないと思って、安く買えそうな大昔にダイヤルをセットして、二百円も入れた。しかし、なにも出てこないので、「インチキ。金返せ!」と喚いているところへドラえもんが帰ってきた。ドラえもんがダイヤルを見ると、奈良時代に相当する741年となっていたので、出てこなくて当然であった。

 

 残りのお金が二十五円しかなかったので、1925年にしてセットして、カメラを買うと、とてもめずらしいベスト判のカメラが出てきた。カメラ店で調べてもらうと、この型のフィルムはもうどこにもないと言われてしまった。

 

  再度タイムマシンで出掛けようとしていたドラえもんから、「この販売機を使っていると、たまにはこういうこともあるさ」と言われ、さらに、「お金もうけのために使っちゃいけないよ」と命令されてしまった。

 

 「お金もうけ」の言葉をヒントに、安い値段でお菓子や文房具を売って、もうけたお金で新型のカメラを買えばいいと思った。デザインも変わっていて、値段もべらぼうに安く、飛ぶように売れたので、のび太はこれを続ければ億万長者になれると確信した。

 

自動販売機で普段食べたこともない、なにかうまいものを買って食べることにした。タイムマシンタイプであるので、百年後のお菓子を注文した。「パク パク」食べると、「うまい!! こんな味は初めてだ!! 一つぶごとジーンと心にしみる味だ」と満足していた。

 

 すると、機械の中から、人の手のようなものが「ニュウ」と出てきて、のび太の肩を「チョン チョン」と叩いた。そして、指でマルを作ってお金を催促し、二十三万円と書いた請求書を突き出した。

 

  のび太が顔を真っ赤にして、「そんなにはらえるもんか、たすけてえ」と叫んで、逃げようとしたが、その手はのび太のシャツをしっかりつかんで、離してくれませんでした。

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