すてきなミイちゃん [★★]

[初出誌] 『ミイちゃん』、「小学三年生」19732月号、7頁、50コマ

[単行本]  『すてきなミイちゃん』、「てんとう虫コミックス ドラえもん第14巻」1978125日 初版第1刷発行、7頁、50コマ

[大全集] 『すてきなミイちゃん』、「藤子・F・不二雄大全集 ドラえもん 320091028日 初版第1刷発行、7頁、50コマ

 

【初出誌vs.大全集】

 タイトル『ミイちゃん』が『すてきなミイちゃん』に変更

 「バンザーイ、すぐデートしよう」が「ばんざあい、すぐデートしよう」に変更[302(7)]

 

 [梗概] ドラえもんは恋したネコを、「花にたとえればバラかボタンか…。かがやく太陽きらめく星のような…」と形容している。さらに、「あの子をひと目みたとたんに、目がくらみ足はふるえ、それからというもの、ねてもさめてもわすれることができない」とのび太に告白している。そのため、目の前にある大好きなどら焼き三個にも手をつけようとしなかった。

 

 のび太が「そんなにすきなら本人にいえばいいのに」とアドバイスすると、ドラえもんは両手で頭をかかえ、「はずかちい~」と呟いている。のび太はいつも助けてもらっているので、今回は、のび太が好きと言う役をかってでることにした。

 

 往来には、おもちゃのネコがゴロンと横たわっていた。そのおもちゃのネコにドラえもんが恋して、「ドキ ドキ ガク ガク」していた。

 

  のび太から「おもちゃのネコじゃないか!」と腹を立てられると、ドラえもんは「おもちゃのネコじゃわるいか。ぼくはもともとネコ型ロボットなんだぞ!」反撃してきたが、意気消沈したのび太は「まっ、ひとりでてきとうにやんな」といって家に帰ってしまった。

 

 ドラえもんは「ひどい! よ、よし! ぼくも男だ! こうなったら、ひとりではなしするぞ!」と腹を決め、「ぼ、ぼ、ぼく、ドラえもんといいます。あなたはぼくのことすきですか」と、「ハア ハア」と息を切らしながら話した。

 

  反応が全くなかったので、よくみるとスイッチが切れていた。スイッチが入ると、「カタ カタ」動きだし、好きで、友だちにもなってくれるというので、「ばんざあい。すぐにデートしよう」とおもちゃのネコを持って行こうとした。

 

 すると、持ち主の男の子のパパがやってきて、「子どものおもちゃをとるな!」といって持って帰ろうとした。すると、ドラえもんは「ぼくらは、愛しあっているんだよ」と訴え、「どうかお願いします」と正座して、「ペコ ペコ」と何度も頭を下げている。

 

  家にまでついていって、「ミイちゃんをぼくのおよめにください。きっとしあわせにしますから」と頼んでいる。心配になった奥さんがのび太を呼びに来たので、一緒に行くことになった。のび太が帰ろうといっても、ドラえもんは襖にしがみついてどうしても帰ろうとしなかった。

 

 「キャア」と悲鳴の聞こえた後、男の子が「イヌが、おもちゃもってたあ!」と泣いてパパに告げていた。それを聞いたドラえもんは「ウヌーッ」とすごい形相をして、イヌのところへすっ飛んでいっている。

 

  大きなイヌに「ガリ ガリ」頭をかじられながら、ドラえもんは「たとえぼくがこわれても、ミイちゃんをまもってみせるぞ」と言い放っている。

 

 感動したパパは「そんなにこのおもちゃほしいの」とドラえもんに尋ね、男の子には「べつのかってやるからね」と語りかけている。ミイちゃんを手に入れたドラえもんは、どら焼きやかつお節を与えているが、のび太から「いくらなんでも、おもちゃがたべるもんか」と言われたので、ひみつ道具の『自動えさたべそうち』を取り付けている。

 

 ドラえもんはミイちゃんを完全なネコ型ロボットにするため、ひみつ道具『自動歩き回りそうち』、『自動木登りそうち』、『自動ひっかきそうち』、『自動おしゃべり機』を取り付けた。すると、ミイちゃんが「ココハドコ? キミダレ?」と尋ねてきたので、「ぼくドラえもん。きみのむこさん」と答えた。

 

  すると、ミイちゃんから「イヤダナアオムコサンダナンテ。ボク男ダヨ」と衝撃の告白を聞くことになった。大きな口をあけて、泣き崩れるドラえもんの肩に手をかけて、のび太は「なくなよ! 人生にはいろんなことがあるもんだ」と懸命に慰めている。

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