時間ナガナガ光線[★★]
【道具解説】 ひみつ道具の『時間ナガナガ光線』は、「楽しいことに時間をたっぷりかけて味わうための機械」で、「光を浴びると、十分が一時間に感じられる」
【使用目的】 のび太が激しく口論している時、ママから「あんたなんかもう、うちの子じゃありません!! でていきなさい!!」と怒鳴られた。そのため、のび太が家出を決心したが、ドラえもんから「時間ナガナガ光線」を出してもらっている。
【使用結果】 家出の前に、ママに「時間ナガナガ光線」を「ビカ」と浴びせた。 往来でジャイアンに会い、家出の話しをすると、「えらい!! よくやった!! おまえにそんな勇気があるとは思わなかったぜ」と絶賛された。
さらに、「だいたい親なんていばりすぎるんだよ。おれ、いつも頭にきてる。しっかりやれ、力をかすぜ。とうぶん、おれのへやにいろ。おふくろにみつかるなよ」と意外に親切に扱ってくれた。
しばらくすると、ママがどれほど心配しているか気になり、家に戻り、観察すると、ママはまんじゅうを食べながら、テレビをのんきそうに見ていた。腹が立ったが、まだ二十分しかたっていないとドラえもんに言われてしまった。帰るとき、いちいち見に来なくてもすむようなモニターを借りている。
モニターで見ていて、五十分たつと、ママはイライラし始め、「ほんとにもう…、帰ってきたらもう…。ただじゃおかないから!!」と腹を立てだした。心配になってきたママは会社のパパに「すぐ帰ってきて。もう九十分も姿が見えないのよ」と電話すると、「いそがしいのにつまらないことで電話するな!!」と怒鳴られてしまった。
ママは交番に行って、誘拐事件かもしれない、なぜなら、家を出て百二十分もたつんですと説明しても、警官から二時間ぐらいじゃ、行方不明とはいえませんと言われている。
ママの瞳は炎のように燃え上がり、「こんなに親に心配かけて!! 帰ってきたらぜったいに許さないわよ!!」と激怒するので、怖くなって家を出ると、ジャイアンにつかまり、「それでも男か、おれが帰さねえぞ!!」と脅され、スネ夫がとりよせた晩めし、ラーメンを食べることになった。
心配になったドラえもんがのび太を呼びに来てくれた。家では、ママは「神さま、のび太をお返しください。ぶじ帰ってさえくれたら…、神さま」と、真っ暗な部屋で祈っていた。
のび太の姿を見ると、涙顔のママはしっかりとのび太を抱きしめた。その光景を見て、パパはドラえもんに「なにがあったんだい?」と尋ねると、ドラえもんは「のび太が三時間ぶりに帰ってきたの」と説明している。
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