テストにアンキパン[★★★]
[初出誌] 『アンキパン』、「小学三年生」1972年5月号、9頁、62コマ
[単行本] 『テストにアンキパン』、「てんとう虫コミックス ドラえもん第2巻」1974年9月1日 初版第1刷発行、9頁、62コマ
[大全集] 『テストにアンキパン』、「藤子・F・不二雄大全集 ドラえもん 3」2009年10月28日 初版第1刷発行、9頁、62コマ
【初出誌vs.大全集】
タイトル『アンキパン』が『テストにアンキパン』に変更
「このままだと、かくじつに0点をとっちゃうよおっ」が「このままだと、かくじつに0点をとっちゃうよっ」に変更[236(3)]
「よおし、やってみせる」が「ようし、やってみせる」に変更[239(2)]
[梗概] のび太は右手にヤカン、左手にまくらを持って、自分の部屋を「ドタ バタ」と駆け回っていた。ドラえもんの「さっきから、なにをこまっているの」といった質問に対して、のび太は「あしたテストがあるんだ。国語と算数といっぺんに」と回答している。
それにしてもヤカンとまくらを持って駆け回っている理由がよくわかりません。のび太は「まるで関係ないけど、つまり、それほどあわててるってこと」と説明にならない説明をしながら、困った困ったを連発している。
ドラえもんはいつも通りのことであるから、あまり心配していない。のび太は「こんなにこまってみせてるのに」と話をエスカレーションさせ、両手を挙げ、大粒の涙を流しながら「このままだと、かくじつに0点をとっちゃうよっ」と訴えている。
しかし、相変わらず深刻に受け止めないドラえもんはこの『扇風機』で学校を吹き飛ばせばテストがないとか、この『動物ライト』で先生をゴリラにすれば、といった茶化した返事を繰り替えしている。
のび太が怒って「まじめに考えてくれっ」と叫ぶと、ドラえもんは「ふだん、勉強しないのがいけないんだっ」と逆に厳しく説教し出した。しかし、根負けしたドラえもんはテスト前の日本の子どもたちや大人にとって絶大な人気のあるあのひみつ道具『アンキパン』を取り出した。
ドラえもんが「算数と国語のノートと教科書とワークブックを、ぜんぶおぼえておけば、なんとかなるだろ」と言いながら、「アンキパン」にせっせと写している。しかしながら、のび太のノートは所々使えません。
なぜならば、はなをかむ時、ちり紙がなかったのでノートを破って使ってしまっていたからです。スネ夫に借りに行ったけれども、きたなくてとてもパンに写して食べる代物ではありませんでした。
しずちゃんの家に行って、はじめてきれいなノートを借りることができた。しずちゃんの家に到着すると、ちょうどおやつの時間帯で、のび太は大好物である草餅をたくさんごちそうになった。お腹を減らさないと「アンキパン」を食べることができないので、ノートを借りて家に帰ってきた。
その日は母の日であるため、パパが豪華な料理を作って待っていた。のび太がお腹一杯で食べたくないと言うと、「お父さんのつくったごはんを、食べたくないというのかっ」と怒鳴られたので、もうお腹がパンクするほど食べる結果となった。
食事が終わって、ドラえもんの待っている勉強部屋に戻ると、ドラえもんから明日のテストに必要なところを覚えてきたかいと詰問された。少しも覚えてないと答えると、ドラえもんは怒って、「とても食べられないと」訴えるのび太に対して、「水でながしこめっ。0点をとってもいいのか!? なにがなんでも、ぜんぶ食べさせる」とアンキパンを強引に口の中に押し込んだ。
次の朝、のび太がトイレから一時間たっても出てきません。のび太は食べ過ぎてお腹をこわし、のび太がトイレから出てきたときに、ドラえもんは「おぼえたことをすっかりだしちゃったな」と確認した。
のび太は鉢巻きをし、困惑しきったドラえもんから「一ページ目から食べなおしだ」と命令された。パジャマ姿ののび太は牛乳を飲み、バターやジャムを「アンキパン」に付け、「勉強はつらいなあ」とつぶやきながら、今日のテストに必要な「アンキパン」を黙々と食べていた。
[S0326・A0201・037205]