ヤカンレコーダー[★★]
[初出誌] 『ヤカンレコーダー』、「小学三年生」1972年4月号、8頁、54コマ
[単行本] 『ヤカンレコーダー』、「てんとう虫コミックス ドラえもん第4巻」1974年11月1日 初版第1刷発行、8頁、54コマ
[大全集] 『ヤカンレコーダー』、「藤子・F・不二雄大全集 ドラえもん 3」2009年10月28日 初版第1刷発行、8頁、54コマ
【初出誌vs.大全集】
「ぼくんちには、テープレコーダーがないから、かしてもむだだって」が「ぼくんちには、テープレコーダーがないから、借りてもむだだって」に変更[227(2)]
「おわるまであそんじゃだめっ」が「終わるまで遊んじゃだめ」に変更[228(2)]
「だれだっ」が「だれだ!」に変更[231(10)]
「うすらばか」が「ばか」に変更[232(4)]
「ああスーッとした」が「ああすうっとした」に変更[233(2)]
[梗概] スネ夫の家で、ブラジルに引っ越した水野くんの声のお便りを、テープレコーダーで楽しく聞く会が開かれた。会が終わった後、のび太ひとりテープレコーダーを持っていないため、テープを貸してもらえませんでした。家に帰ってママに頼んでも結局無駄でした。
のび太が「クド クド クド クド」と愚痴をこぼしていると、ドラえもんが「ヌウ」とひみつ道具『ヤカンレコーダー』を取り出した。愚痴を言い終わると、ドラえもんは「ヤカン」のふたを「カチャ」と開けた。
すると、「フワ」とシャボン玉のようなものがでてきたので、ドラえもんが両手でそのシャボン玉を「パン」と割ると、のび太の愚痴の言葉がバッチリ録音されていた。
「ヤカンレコーダー」がとても気にいったので、のび太はみんなをおどかしてやろうと思って、外に出かけようとした。しかし、ママから、宿題が終わるまで出かけることを禁止されてしまった。
のび太は一計を案じ、「宿題をすませてから、遊びにいこう」、「まじめに勉強しよう」、「宿題は楽しいな」などをたくさん録音し、そのシャボン玉を時々ドラえもんに割ってもらうようにしながら、出かけることにした。
ママが二階へ監視に来ると、ドラえもんにシャボン玉のひとつを割ってもらい、「まじめに勉強しよう」といった録音を流してもらった。それを聞いたママは「まあ、おりこうさん。おやつをあげましょうね」と言いながら階段を下りている。
往来では、しずちゃんはジャイアンにテープを奪われ、スネ夫はテープレコーダーを無理やり、借りていかれてしまったと嘆いていた。そのため、のび太は「ヤカンレコーダー」に、ジャイアンの悪口を思いっきり録音することにした。
ジャイアンはテープレコーダーで、「あいするひとはひとりラララー」といった自分の歌を聞いて、ひとり涙を流して感動していた。
そこへ、シャボン玉が「フワ」と飛んできたので、ジャイアンは右の拳で「パン」と割ると、「ジャイアンのバカヤロ!」といった悪口が流れた。ジャイアンは「キョト キョト」しながら、「だれだ!」と怒鳴っている。
ジャイアンの家の外では、のび太、しずちゃん、スネ夫がその光景を見て、次から次へとシャボン玉をジャイアンの部屋へ投げ入れた。そうしたシャボン玉をジャイアンが割ると、「ジャイアンのよくばり」、「いじわる」、「ノーテンゴリラ」、「あほ」、「しんじまえ」などといった悪口が部屋に充満した。
「カーッ」となったジャイアンはバットを振りかざし、「どこのどいつだ。でてこい」と怒鳴りながら、部屋の中を「ドタ バタ」を暴れ回った。すると、かあちゃんが左手にすりこぎを持って、「なんだよ、うちの中であばれて」と言いながら、部屋に飛び込んできた。
のび太のママがおやつを持って部屋の中に入ると、悪事がばれ、ドラえもんはのび太に頼まれてやったと白状していた。のび太が「ああすうっとした」と言いながら帰宅すると、玄関前で、ドラえもんから事の真相を聞き、怖くて家に入れないと言い出した。
「ヤカンコーダー」で、「ごめんなさい」、「ゆるして」、「かんにんね」などを録音し、これらのシャボン玉を割りながら、ドラえもんは懸命に、「こんなにあやまっているから、ゆるしてあげたら」と、ママを説得している。
[S0325・A0415・037204]