黒おびのび太[★★]

[初出誌] 『ふしぎなベルト』、「小学三年生」19719月号、8頁、45コマ

[単行本]  『黒おびのび太』、「てんとう虫コミックス ドラえもん第5巻」1974121日 初版第1刷発行、8頁、47コマ

[大全集] 『黒おびのび太』、「藤子・F・不二雄大全集 ドラえもん 22009830日 初版第1刷発行、8頁、47コマ

 

【初出誌vs.大全集】

 タイトル『ふしぎなベルト』が『黒おびのび太』に変更

 「おいっ、もういちどじゅう道やろう」が「おい、もう一度柔道やろう」に変更[185(7)]

 「ほおら、やっちゃった」が「ほうら、やっちゃった」に変更[186(8)]

 

 「こらっ女の子をなげとばすとはなにごとですっ」が「こら、女の子を投げとばすとはなにごとです」に変更[187(1)]

 「先生をおどかす気かっ」が「先生をおどかす気か」に変更[187(3)]

 「さわらないでえっ!」が「さわらないでえ!」に変更[187(5)]

 

 「フーフーハーハーヒーヒー」が「ふうふう、はあああ」に変更[187(6)]

「なんだ、おまえは」、「けがをしたくなかったらひっこんでいろ」、「いいからいいから」、「いらっしゃい」コマ挿入[188(3)]

「このやろう」コマ挿入[188(4)]

 

 [梗概] 学校の帰り道、ジャイアンが「おれな、とうちゃんにじゅう道ならってるんだぞ。…教えてやろうか」というので、のび太はよく考えもしないで、「教えて、教えて」と言ってしまった。ハッと気付いたが、のび太はジャイアンに「グイ」とつかまれ、「デヤーッ」と投げ飛ばされてしまった。

 

 頭はぼさぼさ、頭や顔に絆創膏をはっているのび太の姿を見て、ドラえもんは「そんなめにあわされて、だまって帰ってきたのか! 男なら投げかえせ!」と思わず怒鳴ってしまった。しかし、のび太から「だって、こわいんだもの」としょんぼりと言われると、ドラえもんは「じゃ、これでも使ってみるか」とひみつ道具「ブラックベルト」を出してくれた。

 

  このベルトを締めると、さわったやつがどんな相手でも、みんな投げ飛ばすことのできるひみつ道具である。のび太がありがとうと言ってドラえもんに触ると、ドラえもんは自動的に投げ飛ばされてしまった。

 

 往来でジャイアンに会ったので、「もう一度じゅう道やろう」と挑戦した。しかし、ジャイアンは「弱すぎて、あほらしくて相手にならんよ」と言ってスネ夫と行ってしまった。追いかけると、空き缶につまづいて、「ツルリ スッテン」と転んでしまった。

 

  痛いといって路上に座り込んでいると、しずちゃんが「どろをはらってあげる」といって近づいてきた。触れた途端、しずちゃんは投げ飛ばされ、電柱の足場に引っかかってしまった。両手をついであやまっていると、先生に見つかり、のび太が「ぼくにさわるとあぶないよ」言うので、「先生をおどかす気か」とのび太に触れたので、先生も大きく投げ飛ばされてしまった。

 

 広場の土管の陰で、こっそりベルトをはずそうとしていると、「ヒイ ゆるして~」という声が聞こえてきた。町内の不良学生につかまったジャイアンとスネ夫は「やい、こづかいよこせ。なかったら、家へとりに行け」と脅されていた。

 

  のび太は「これなら、えんりょなく投げられる」と喜び勇んで近づき、「いらっしゃい」と誘いをかけると、「このやろう」と三人の不良が襲ってきた。のび太は抱き合っているジャイアンとスネ夫の前で、「ダーッ」のひと声でと三人を豪快に投げ飛ばしている。

 

 家に帰るとドラえもんはいなかったが、ベルトをはずして返すことにした。家に帰ったパパが和服に着替えようとしたが、オビがなかったので、ママが近くにあったベルトで締めようとしたら、パパに投げ飛ばされてしまった。

 

  のび太からベルトの話を聞いたが、へんな結び方をしたのでどうしてもほどけなかった。ほどけるまで、寄りつかない方がいいということになり、夕食もパパひとり、木の箱の上に目刺しなどをならべて、食べることになった。

[S0221A0515037109]