サンタメールとサンタ切手[★★]
【道具解説】 ひみつ道具である『サンタメール』は二十二世紀のデパートへ、欲しい物、住所、名前、年齢を書いて注文するハガキである。
そのメールに『サンタ切手』を貼ると、「北極にデパートの配送センターがあって、クリスマスイブにはサンタロボットが配達して回る」とても便利であるが、その「サンタ切手」はとても値段の高いハガキである。
【使用目的】 のび太の今年のクリスマスプレゼントはラジコンではなく、ためになる本四冊であった。予想通りのプレゼントであったので、のび太は小さい頃を思い出し、あんな楽しいことはもう二度と体験できないと嘆いていた。その姿を見て、ドラえもんは「サンタメールとサンタ切手」を出している。
【使用結果】 のび太が手にしたたくさんの注文の中には、のび太をバカにしたスネ夫やジャイアンの注文も混じっていた。ドラえもんから「ジャイアンはおこるよ。だまされたって。それより小さな子どもたちが、どんなにがっかりするか」と指摘。のび太は「わあ~、どうしよう」とドラえもんに泣きながら抱きついた。
ドラえもんは「どうしようといわれてもこまる。きみがかってなことをするから悪いんだ。自分で責任をとりなさい」と冷たく言い放った。
のび太はスックと立ちあがって、「ようし! 責任をとってやる! ああ、とってやるとも!」と怒鳴りながら、外に走り出た。飛び出したきり帰ってこないのび太に対して、ドラえもんは「もう日がくれたのに。ぼくもちょっといいすぎたよ」と反省していた。
パパは「こんな夜おそくまで!」、ママは「親に心配かけて!!」と激怒。のび太が大きな袋を背負って帰ってくると、両親は、のび太が自分の部屋までの階段を上がっていくまで、「ガミ ガミ ガミ」と怒鳴り散らしていた。
大きな袋の中には、あちこちでもらったり、ゴミ置き場で探したりした壊れたおもちゃが入っていた。のび太は『タイムふろしき』を借り、そうしたおもちゃを新品にした。
まだ注文を満たすことができなかったので、のび太が「もういっぺん行ってくる」と言ったが、夜遅くて疲れていたので、ドラえもんが力を貸し、デパートに行って、ひみつ道具である『フエルミラー』で、コピーを沢山作ってきてくれた。
ドラえもんは「どうせなら、本式にやろうよ。北極へ行ってサンタになって、ひみつ道具である『トナカイロケット』でみんなの家へ行こう」と提案し、「タイムマシン」に乗って北極を目指した。
注文の品物が全部揃ったので、「トナカイロケット」に乗って日本へ出発。「子どもたちは、待ちかねているだろうね」とワクワクしながら、最初の家に到着した。
煙突のない家であったので、『通りぬけフープ』で家の中に「スポッ」と入ると、小さな子どもが「いやだいやだ。サンタがくるまで起きてるんだ」と愚図り、ママも「いうことをきかないと、サンタさんはきませんよ」と注意していた。
子どもの寝室にはサンタ姿ののび太がいて、子どもから「ほんとのサンタさん!?」、「たったいま、北極からきたんだよ」と言いながら、「さかなつりゲーム」のクリスマスプレゼントを手渡していた。
外では、ドラえもんが鼻水を垂らし、大きな声で「ハクショーン」とクシャミをしながら、「いやに待たせるなあ。なにやってんだ」と「通りぬけフープ」で家に入った。するとのび太は子どもと楽しげに、「さかなつりゲーム」をしている真っ最中であった。
のび太は「悪い悪い」と謝りながら、次から次へと子どもたちに素晴らしいクリスマスプレゼントを贈り続けた。半分ぐらい配ると、くたびれてきて、その上、「今夜は冷えるね。
はやくあったかいふとんに入りたいな」と思い、大きなあくびをしながら、眠いを連発し、「ね、あと来年にしない?」とドラえもんに言って大目玉を食らっていた。
のび太は「なんでサンタクロースというかわかったよ。さんざん苦労するからだ」と言うと、ドラえもんから「くだらないシャレいっていると、夜が明けるよ!!」と注意された。夜が明けるころになると、「みんながよろこんでくれて、苦労したかいがあったよ」という心境になり、のび太たちはトナカイロケットに乗って北極に帰っていった。
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