エスパーぼうし[★★★]

[初出誌] 『エスパーぼうし』、「小学三年生」197012月号、16頁、118コマ

[単行本]  『エスパーぼうし』、「てんとう虫コミックス ドラえもん第7巻」1975525日 初版第1刷発行、17頁、122コマ

[大全集] 『エスパーぼうし』、「藤子・F・不二雄大全集 ドラえもん 12009729日 初版第1刷発行、17頁、122コマ

 

【初出誌vs.大全集】

 「だから、21世紀の手品を教えてくれってば」が「だから二十二世紀の手品を教えてくれってば」に変更[444(8)]

「遠くはなれている物かげなどの見えない物を見る」が「遠くはなれていたり、物かげなどの見えない物を見る」に変更[448(1)]

 

 「トイレに行きたいんだよう」が「トイレにいきたいんだよお」に変更[450(8)]

「あ~、あ~、あ~」が「ああああああ」に変更[451(8)]

 「ばか一番おもしろいのはぼくのだい」が「ばあか、いちばんおもしろいのはぼくのだい」に変更[455(5)]

 

 「あれは………」、「さては、だれかがエスパーぼうしを」コマ挿入[457(5)]

「だれだろう」コマ挿入[457(6)]

「テレキネシス!!」コマ挿入[458(2)]

「それもかくしげいなの?」コマ挿入[458(5)]

 

「じ、じつは、これがぼくらのかくしげいだよ」、「そ、そう」、「すごい~」が「え、そう!じつはこれがぼくらのかくしげい」、「そうなんだ」、「すごうい」に変更[458(6)]

 「よおし」が「ようし」に変更[459(1)]

 「そらっもう少しだ」が「そらもうすこしだ!!」に変更[459(2)]

 

 [梗概] のび太はクリスマスのパーティで一番受ける手品によって、みんなをアッといわせたかった。しかし、新聞を丸めて、水を入れて消す手品とか、胴を切りはなす手品をしようとしても、すべてうまくいかなかった。ドラえもんに頼んでも、手品なんか知らないと言われてしまった。

 

 のび太がスネ夫、しずちゃん、ジャイアンに電話すると、みんな今夜のパーティで、アッといわせるものをやると、自信を持って答えている。何をやるかで、悩んでいると、のび太のからだが突然、「フンワ」と浮き上がり、「ドシン バタ ゴチン ゴスン ゴスン」と部屋の中を飛び跳ねだした。

 

  ドラえもんがひみつ道具『エスパーぼうし』を使って、手を触れずに物を動かす「念力」の練習している最中であった。

 

 貸してほしいと頼んでも、ドラえもんがかなり練習しないと使いこなせないと言うので、焦っていたのび太はのこぎりの刃で、ドラえもんの頭を切ろうと脅迫した。猛練習の途中でいやだと言わないという約束で、最初、テレキネシス(念力)の練習に入った。

 

  目の前の灰皿をジッと見詰め、心の中で動け動けと叫んだ。顔を真っ赤にして、いっしょうけんめい思っていると、灰皿が「ジリッ カタ カタ スッ」と動き出した。さらに、「ウ~ ウ~」と唸って思っていると、何とか座布団も「フワリ」と浮かせることができるようになった。

 

 のび太はトイレに行きたくなったので、テレポーテーション(瞬間移動)を使って、心の中でトイレに投げ縄を引っかけて、グイッとたぐり寄せる感じを持っように努力した。

 

  ドラえもんがもっともっと力を入れてと命令するので、「エイ」と精一杯力を入れると、トイレの便器が引き寄せられて、ドラえもんの後頭部を「ガン」と直撃することになった。

 

 最後に、屋根の上にあがって、クラヤボヤンス(透視)の練習を始めた。「遠くはなれていたり、物かげなどの見えない物を見る」ため、目に力を入れて、何度も見ていると、スネ夫がハンカチの出る手品をしているところを見ることができた。

 

  しずちゃんは人形とダンスをしており、ジャイアンはヘソ踊りをしているのを見て、のび太はみんなの手品はパッとしないと思い、安心することができた。

 

 自分のが一番だと思って、休んでいると、ドラえもんが玄関に出しておいた「エスパーぼうし」が見あたらないと叫んで、部屋に飛び込んできた。家中を徹底的に探しているとき、スネ夫からみんなそろった」という電話が入った。

 

  さらに探していると、再びスネ夫から電話があり、「かくしげいができなくてこられないのだったら、気にすんな。だれもおまえにはきたいしていないから」とまで言われてしまった。のび太は「ば、ばかにすんな」と言って電話を切った。

 

 三度目の電話が「ジャカ ジャン」となると、「あと五分いないにこなければ、けっ席とみとめる!」と言われたので、ドラえもんに見つかったら持ってきてと頼んで、先に出掛けた。パーティで誰が一番始めにやるかでもめたので、しずちゃんの提案により、くじ引きで順番を決めることになった。

 

 最初に、スネ夫が手品を始めようとしたら、のび太がハンカチのたくさんでる手品と暴露した。すると、みんな知っていると言いだしたので、スネ夫はあほらしいと言って止めてしまった。

 

  ジャイアンがめっちゃくちゃおもしろくて、みんなひっくりかえるぞと言いながら、紹介しようとすると、のび太が「まってました、ヘソおどり!」と叫んだ。すると、女の子たちが「まっ、下品! いやあねえ。エッチよ」言いだしたので、怒ったジャイアンやスネ夫がのび太に「自分のを見せろ」と騒ぎ出した。

 

 のび太は「さいなら」といって家を出ると、ドラえもんが「エスパーぼうし」を使って、メザシを捕ろうとしていた野良猫のクロから、そのぼうしを取り上げてくれた。早速、のび太が「エスパーぼうし」を被って、透視で家の中を見ると、ジャイアンとスネ夫がしずちゃんの人形踊りをけなしていた。

 

  念力によって、二人を「フワリ フワリ」と空中に浮かせた。すると、スネ夫が「これがぼくらのかくしげい」と叫んだので、みんなから絶大は拍手をもらうことになった。

 

 猛烈に腹を立てたのび太は、ドラえもんから「テレポ ーテーションでとびこめ」と命令されたので、顔を真っ赤にして、頑張っていると、突然、服だけが「パッ」と部屋の中へ瞬間移動してしまった。窓の外で、のび太は寂しげに、「服だけいっちゃった」とつぶやいていた。

[S0130A0714037012]