おばあちゃんのおもいで[★★★]

[初出誌] 『おばあちゃん』、「小学三年生」197011月号、16頁、114コマ

[単行本]  『おばあちゃんのおもいで』、「てんとう虫コミックス ドラえもん第4巻」1974111日 初版第1刷発行、16頁、114コマ

[大全集] 『おばあちゃんのおもいで』、「藤子・F・不二雄大全集 ドラえもん 12009729日 初版第1刷発行、16頁、119コマ

 

 [梗概]  物置を片づけていたら、のび太にとって懐かしいクマのぬいぐるみがでてきた。それは大好きなおばあちゃんが繕ってくれた、つぎはぎだらけのくまちゃんであった。ドラえもんから「おばあちゃんがいたの?」という質問を受けたので、のび太はいたが、幼稚園のころなくなったと答えている。

 

 のび太の勉強部屋でアルバムを見ながら、ドラえもんはのび太をだっこしている、優しいおばあちゃんを紹介されている。のび太は、おばあちゃんが「ぼくのこと、すごくかわいがってくれてね」と懐かしそうに語っている。

 

 アルバムを見ると、のび太の泣いている写真が多いので、ドラえもんは「そのころから泣き虫だったね」と茶々を入れると、腹を立たのび太から、「ぼくは、おばあちゃんがやさしかったという話をしてるんだ。もっと、すなおにきけ!」と、怒鳴られてしまった。

 

おばあちゃんのことを話していると、懐かしくなり、のび太は「ワ~ッ」と泣き、その上、おばあちゃんに会いたいようと言い出した。そして、「タイムマシン」で会いに行く言い張った。ドラえもんはやめた方がいいと言ったけれども、こっそり顔を見るだけと言うので、渋々行くことに同意した。

 

 のび太が三つぐらいの時代へ行くと、家は新しく、おととし切ったカキの木がたくさんのカキの実を付けていた。裏口からこっそり忍び込んで探したが、おばあちゃんは一階のどこの部屋にもいなかったので、二階の部屋を探すことにした。

 

 二階の部屋のドアはむかしから建てつけが悪かったので、ドラえもんが「引いてもだめなら押してみな」とバカ力を発揮したので、「ドダッ」とドアの止め金が外れてしまった。

 

 ママが電気掃除機で二階の部屋を掃除していたので、二人を見ると、「なんです! よその家に、だまって入りこんで!!」と、すごい剣幕で怒鳴りだした。急いで外へ飛び出して、往来を歩いていると、ペロペロキャンディーをなめている、三つの時ののび太に出会った。

 

 しばらくすると、ジャイアンとスネ夫に「ワーン」と泣かされたので、のび太は二人の頭を「ゴチ ゴチ」なぐって、逆に泣かせている。のび太はこいつらに今日も学校でつっころばされたので、仕返しをしたというので、ドラえもんから昔と今をゴッチャにしちゃダメだとたしなめられている。

 

 向こうからおばあちゃんが歩いてきたので、のび太は「ドッキン」として、「お、おばあちゃん!!」と思わず声を掛けたが、おばあちゃんはのび太に気付きませんでした。そこへ、花火を頼んでいた三歳ののび太がやってきた。

 

 おばあちゃんから、「町中探したが、どこのおもちゃ屋にもなく、花火は夏しか売っていない」と言われると、のび太は「いやだい、いやだい」と泣き叫び、その上、「おばあちゃんきらいだ。あっちへいけっ」と言い出した。

 

 その光景を見た、のび太は「こらぼく! おばあちゃんをいじめるな」と思わず怒鳴ってしまった。すると、三歳ののび太は「ウワア」と泣きだしたので、ママが飛んできて、「どうして、うちののび太をいじめるんです」と言ったお説教をくらうことになった。

 

 のび太が懸命に事情を説明しても、全く通じなくて、挙げ句の果て、ママから「かわいそうに。頭がおかしいのね」と言われる始末であった。

 

 のび太はドラえもんから、タイムマシンで帰ろうよと言われたが、どうしてもひと目おばあちゃんに会いたいため、部屋に戻った。三歳ののび太に見つかったが、おばあちゃんが部屋に隠れた、のび太のことをママに黙っていてくれたので、交番に届けられることもなかった。

 

 クマのぬいぐるみを繕っていたおばあちゃんに、「おばあちゃんは、ぼくのことあやしまないの」と尋ねると、「いいえ」という返事であり、「のび太くんがかわいい?」と尋ねると、「ええ、ええ、そりゃもう」という返事であった。

 

 おばあちゃんが「いつまでもあの子のそばにいてせわをしてあげたいけど、そうもいかないだろうね。わたしももう、年だから」としんみり語り出した。そして、ランドセルをしょって学校へいく姿を一目見たいというので、のび太はタイムマシンでランドセルを取りに帰っている。

 

 ランドセルをしょって、おばあちゃんの目の前で、「ぼく、のび太です」と告げると、おばあちゃんは「さっきから、なんとなくそんな気がしましたよ」と言ってくれた。のび太が思わす「信じてくれるの? うたがわないの?」と尋ねると、「だれが、のびちゃんのいうこと、うたがうものですか」という返事であった。

 

 おばあちゃんはのび太の小学生の姿を見たら欲が出て、「あんたのおよめさんを、ひと目みたいね」とエスカレートした。早速、タイムマシンで現代に戻り、しずちゃんの目の前で、のび太は両手を合わせて、「ねえ、今すぐぼくと結婚してよ。だめ?」と頼んでいる。

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