のろいのカメラ[★★★]

[初出誌] 『のろいカメラ』、「小学三年生」197010月号、15頁、112コマ

[単行本]  『のろいカメラ』、「てんとう虫コミックス ドラえもん第4巻」1974111日 初版第1刷発行、15頁、112コマ

[大全集] 『のろいカメラ』、「藤子・F・不二雄大全集 ドラえもん 12009729日 初版第1刷発行、15頁、112コマ

 

[梗概]  のび太が家に帰ってくるなり、ワッと泣き出した。ドラえもんは「またか! いわなくてもわかってる! …あんちくしょう。きょうというきょうは。めっためたにしてやるぞっ」と怒鳴りながら、「ビュー」と外に飛び出していった。

 

 ドラえもんは「のび太くんをばかにするということは、ぼくをばかにすることだ。ゆるせぬ!」と言いながら、悪魔の発明といわれ、まだ、一度も使ったことのない、ひみつ道具『のろいのカメラ』を「ジャジャーン」と取り出している。

 

 ドラえもんはこのカメラをどんな悪者でも、使うのはあまりのも残酷なため、使うのをためらっていた。スネ夫から、ノラえもんと言われ、「きみの顔はおこってもわらっても、おもしろい顔だね」とまで言われても、どうしても使うことができなかった。

 

 ドラえもんは家に帰って、玄関で「使おうかな、やめようかな」と思案しているうちに、「グウ…」と居眠りを始めてしまった。

 

 二階からのび太が下りてくると、玄関でドラえもんが大きな鼻チョウチンを作って寝ていたので、かたわらにあったカメラでドラえもんの寝顔を撮ることにした。

 

 「カシャ」とシャッターを押すと、「ピカ ゴロ ゴロ」と凄いカミナリのような音がした後、カメラからドラえもんの人形が「ポト」と出てきた。おもしろいカメラであるので、のび太はパパやママも写すことにした。

 

 しずちゃんの誕生日に何もあげなかったので、のび太はこうした人形をプレゼントすることにした。もらったしずちゃんにとってあまりかわいい人形でなかったので、となりのガン子ちゃんに全部あげている。

 

 目の覚めたドラえもんがのび太から「のろいカメラ」を使ったという話を聞いた。ドラえもんはのび太をカメラで写して、このカメラの写した人形になにかをすると、本人にそのまま伝わることをデモンストレーションした。事態の深刻さがわかったので、さっそく二人は人形を探しに出かけた。

 

 ガン子はジャイ子を誘って、二人でお医者さんごっこを始め出した。熱が八白度もあるということになり、パパとママの人形は冷蔵庫に入れられることになった。家では、パパとママが布団の中で寒い寒いと言いながら、凍え死にそうだと震えていた。

 

 ドラえもんの人形は頭も胸もおなかも、手足もみんな悪いので、すぐ手術をすることになった。ジャイ子が家から出刃包丁を持ってきたので、ガン子がこの包丁で人形の首を「ゴリ ゴリ」と切り始めた。

 

 往来でガン子を探していたドラえもんが突然、「首がちぎれそうだっ」と叫び出した。幸い、ジャイ子のかあちゃんが「子どもが、はものをいじっちゃだめ」と、取りあげて持って行ってくれたので事なきを得た。

 

 ドラえもん人形が手術できなくて死んじゃったので、ガン子とジャイ子は葬式を始め出した。そこへ、スネ夫がやって来て、もっと本式の葬式をやろうと言い出した。そして、ちゃんと火で焼いてお墓に埋める準備を整えた。

 

 火葬をしていると、目の前に、タケコプターを付けて空を飛んでいたドラえもんが熱さのあまり、「ドダ」と大地に落下してきた。スネ夫は人形に何かすると、目の前のドラえもんが同じことをすることに気付き、「ポン ポン」と人形を足で蹴り上げた。

 

 上空を飛んでいたのび太が、スネ夫から人形とドラえもんを「サッ」と奪うことに成功したので、危機を脱出することができた。

 

 スネ夫の写真を撮ることをためらっていたドラえもんも、堪忍袋の緒が切れてスネ夫を撮影し、スネ夫の人形にヤカンの水を「ジャア」とかけている。往来では、しずちゃんたちの目の前で、スネ夫は「どうして水がでるんだろう。みっともない」と慌てふためいていた。

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