古道具競争[★★★]
[初出誌] 『古いものは、もういやだ』、「小学三年生」1970年7月号、16頁、115コマ
[単行本] 『古道具きょう争』、「てんとう虫コミックス ドラえもん第1巻」1974年8月1日 初版第1刷発行、16頁、115コマ
[大全集] 『古道具競争』、「藤子・F・不二雄大全集 ドラえもん 1」2009年7月29日 初版第1刷発行、16頁、115コマ
[梗概] スネ夫は「便利なものが、なにもかもそろっちゃうとさ、古くさいものが、すごおくなつかしく感じられるんだ」と言いながら、行燈、砂時計、埴輪、鎧、ランプ、ピストル、蓄音機、柱時計などをのび太やしずちゃんに見せびらかしている。
少しうらやましくなったのび太も「あるぞ、うちのテレビはもう十年も使ってるぞ!」といったトンチンカンな回答。スネ夫に「ウシャ シャシャ」と軽蔑されながら、家路に着いたのび太は早速ドラえもんに古いものを出してくれと頼んでいる。
ドラえもんは二十二世紀では、古道具のコレクションが盛んだから、古道具の電波販売を珍品堂に頼んでくれた。買うと高いから、最初現代のトランジスター・ラジオをラジオの先祖である鉱石ラジオと交換してもらっている。
のび太に対する友だちの評判が非常によかったので、頭にきたスネ夫は戦国時代の鎧を着て登場、それに対してのび太は古代ローマ時代の戦士の姿で対抗している。
途中から、のび太が勝手に珍品堂に注文し出したため、事態が混乱の様相を呈してきた。さらにどんどんエスカレートして、のび太は石器時代の姿に、最終的にはイチジクの葉を付けたアダムの姿にまで変身している。
家庭でも、のび太のママの洗濯機がたらいと洗濯板に、水道が井戸の釣瓶に変わり、ママは十二単を着て、「どーしましょ、どーしましょ」と踊っている。野比家の近くの路上では、自動車が人力車に、警官が御用提灯と十手を持って与力に変わっていた。
蓑と笠を付けて帰宅途中ののび太のパパがタバコを吸おうとするとキセルと火打ち石に、家に到着するとわが家は登呂遺跡の住居に変わっていた。
のび太が勝手に注文し、大混乱に陥ったため、ドラえもんがひみつ道具『タイムシーバー』で注文を取り消そうとした。珍品堂から「みんな売れちゃいました。買いもどすにしても、一週間ほどかかります」と言われたが、そばにいた裸姿ののび太が「困るよ、早くなんとかしてよ」と懇願していた。
「新しいものはすぐそろいますが」との返事に対して、のび太は「とびきりあたらしいのとこうかんして」と叫んでいる。
野比家では注文した『22世紀の家庭用品』などを使っているので、のび太のパパもママもどうも落ち着きません。ドラえもんは困惑しながら、「タイムシーバー」で「やっぱり、もとにもどしてよ。なるべく早く」と珍品堂に頼んでいる。
[S0125・A0106・037007]