恐竜ハンター[★★★]
[初出誌] 『無題』、「小学三年生」1970年5月号、17頁、91コマ
[単行本] 『恐竜ハンター』、「てんとう虫コミックス ドラえもん第2巻」1974年9月1日 初版第1刷発行、17頁、91コマ
[大全集] 『恐竜ハンター』、「藤子・F・不二雄大全集 ドラえもん 1」2009年7月29日 初版第1刷発行、17頁、91コマ
【初出誌vs.大全集】
タイトル『無題』が『恐竜ハンター』に変更
「ぼくみたいに……」が「ぼくならそのてん…………」に変更[334(9)]
「そんな、かんたんなものじゃないのにな」が「そんな、かんたんなものじゃないよ」に変更[336(1)]
「へえ、これがタイムマシン?」が「すごいいきおいだね」に変更[336(2)]
「ぼくにうたせろ」が「ぼくにもうたせて」に変更[338(8)]
「かえろ」が「かあえろ」に変更[339(7)]
「やめろもういいよ」が「やめろっ、もういいよ」に変更[341(5)]
「わ~いやだいやだ」が「わあ、いやだ!」に変更[345(6)]
「あ、これは!」が「あっ、これは!」に変更[346(5)]
「きょうりゅうはそっちだよっ」が「恐竜はそっちだよ」に変更[346(7)]
[梗概] のび太は恐竜を見たと叫んで、「ゴロン ゴロン」と階段から転げ落ちた。二階に戻ると、ドラえもんが机の引き出しから、「ああ、おもしろかった」と言いながら出てきた。ドラえもんとセワシくんは恐竜狩りの帰りに、この部屋で恐竜と一休みし、セワシくんは連れ帰って恐竜をペットにしていた。
のび太も恐竜狩りをやろうとしたが、ドラえもんによれば、恐竜狩りは危ないスポーツで、「強いからだと、なにものもおそれない勇気が必要だ」と語り出した。
そして、目を閉じ、自信に満ちて「ぼくならそのてん…」と言いだしたとき、「ガサッ」と音がして、「チョロ チョロ」とネズミがはい出してきたので、ドラえもんは「キャア こわいこわい」と絶叫して、のび太の頭の上に避難している。
ママが「今のすごい声、なあに」と聞きに来たので、のび太が「ドラえもんがね…」と言いかけると、ドラえもんに「シーッ」と制止をかけられた。その後、のび太は一緒に恐竜狩りに連れて行ってもらうことができた。
二人は準備をして、タイムマシンで、恐竜のうんといる一億年前の世界にやってきた。ドラえもんは二十メートル以上離れると撃っても効果のないひみつ道具『細胞縮小機』を取り出し、近くのヤシの木を「ビカッ」と撃って、「グググ」と小さくしている。
ドラえもんは獲物を誘い出してくると言って出掛けた。しばらくすると、「大物だ」と叫びながら、巨大な恐竜を誘い出してきた。驚いたのび太はドラえもんと一緒に逃げだしたので、ドラえもんから撃たなくちゃだめだと言われたので、「ビカッ ビカ ビカッ ビカッ ビカッ」と撃ちまくった。そのため、恐竜はアリのように小さくなってしまった。
バターとジャムを「べチョ ペタ ペタ」とのび太にたっぷり塗って、えさになって誘い出してくる役をドラえもんから命令された。そして、なるべくうまそうに歩くのがコツであると言われたので、歩いていると、目の前に恐竜が現れ、「ドドッ ドドッ ドドッ」と激しく追いかけられた。
ドラえもんは「ぼくはなれているから、あわてないのだ。このおちつきが、しろうととくろうととのちがいだ」と悠然と構えていたが、『四次元ポケット』から「さっ」と取り出すと、大和煮の缶詰であった。
例の通り、「ハレ ハレ ハレ」と大慌てになり、出すもの出すもの関係のないものばかりであった。最後に、ドラえもんが「細胞縮小機」を取り出し、撃とうとすると、恐竜の手で「バシッ」と大地にたたき落とされてしまった。
恐竜の左手にのび太、右手にドラえもんがつかまり、恐竜はどちらを先に食べようかと迷っていた。お互いにどうぞお先にと譲り合っていたが、恐竜は「アキーッ」と絶叫するドラえもんを「ゴリ」と食べようとしたが、ロボットでまずいのか「ペッ」と吐き捨ててしまった。
のび太が食べられそうになったので、のび太はメガネをはずして、メガネのレンズで太陽の光を集めて、恐竜を「チリ チリ」と焼くと、恐竜は「ハチャ チャッ チャ」とわめいてのび太を手放してしまった。
落下したところに運よく「細胞縮小機」が落ちていたので、のび太はメガネをかけていなくてよく見えなかったが、「ビカ」と撃っと命中したのは恐竜ではなくドラえもんであった。幸い、「ゴ ゴ ゴ ゴ」と火山が噴火している間に、メガネをなくしたまま、タイムマシンに乗って無事現代に戻ることができた。
父の読んでいた投売新聞には、写真入りで、メガネをかけている「なぞの恐竜の化石」というヘッドラインの記事がデカデカと掲載されていた。その記事を見た、のび太は「ぼくのメガネだ!」と驚いて叫んでいる。
[S0123・A0217・037005]