のび太が強くなる [★★★]

[初出誌] 『無題』、「小学三年生」19703月号、16頁、98コマ

[大全集] 『のび太が強くなる』、「藤子・F・不二雄大全集 ドラえもん 12009729日 初版第1刷発行、16頁、98コマ

 

【初出誌vs.大全集】

 タイトル『無題』が『のび太が強くなる』に変更

 「つまんないことレさわぎなさんな」が「つまんないことでさわぎなさんな」に変更[89(2)]

 

「これレとんでいけば、一分かからないよ」が「これでとんでいけば、一分かからないよ」に変更[89(3)]

「さあ、いそいレいそいレ」が「さあ、いそいでいそいで」に変更[89(4)]

「あまやかすからラめなんラ」が「あまやかすからだめなんだ」に変更[90(1)]

 

「こんどラけたすけレあげる」が「こんどだけたすけてあげる」に変更[90(4)]

「でん子ずのうつき、ボールペンラ」が「でん子ずのうつきボールペンだ」に変更[90(5)]

「さあいそいレ」が「さあいそいで」に変更[90(6)]

 

「どうも、ひとりでやるのしんぱいラな」が「どうも、ひとりでやるのしんぱいだな」に変更[91(1)]

「ぼくがひきうけたからには、あんしんしラまえ」が「ぼくがひきうけたからには、あんしんしたまえ」に変更[95(8)]

「一本でもぬかれると力がなくなるんラ」が「一本でもぬかれると力がなくなるんだ」に変更[101(2)]

 

「そっくりラ!!」が「そっくりだ!!」に変更[101(7)]

説明語「のび太にばけたセワシ」削除[102(1)]

説明語「ほんとうののび太」削除[102(3)]

 

 [梗概] 寝過ごして、遅刻する、先生に叱られる、と大騒ぎし、さらに、のび太は学校へ行く間際になっても宿題をしていないことに気づいた。ドラえもんが『電子頭脳付き、自動ボールペン』を出して、宿題を済ませた。

 

  「タケコプター」で学校へ着く前に、始業のベルが「ジリリリリ」と鳴り出し、のび太が学校を休むと言い出した。それで、ドラえもんは『グルリン電波』を先生に発射した。すると、教室へ向かう先生は横倒しになった学校の廊下で、空中から落下することになった。

 

 教室に入ってからも、先生はドラえもんにつまずいて転び、教壇に立っても、何だかおかしな日ですねと子どもたちにあいさつをしていている。のび太の顔を見ると、宿題ができていたにもかかわらず、「きょうはゆるしません。ろうかに立ってなさい」と毎日の朝の口癖を出してしまった。

 

  その日ののび太は人が変わったみたいで、国語の教科書はすらすら読め、高鉄棒の演技も先生がぶったまげるほどの出来映えであった。ついに、子どもたちの前で、先生はのび太を見習いなさいと絶賛し出した。

 

  のび太がドラえもんに「先生にほめられてこまったよ。ほんとはきみの力なのにね」とお礼を述べると、ドラえもんから「自信を持ってバリバリやっていいよ!」と積極的にバックアップされた。

 

 のび太が放課後、みんなから、称賛されるのが、ジャイアンやスネ夫には気に入らなかった。そのうち、ボロが出ると思って、後をつけると、ドブも「フワリ スー」と跳び越し、道路も目をつぶって横断し、車にぶつかりそうになると、ジャンプして「ストッ」と塀の上に立ち、「ヒラリ」と飛び降りたりしている。

 

 三人の不良中学生に足をひっかけられて、「コテン」とぶっ倒れたが、いつもと違って、のび太は「おいまてっ!!」と怒鳴りつけた。しずちゃんが「らんぼうもので、ゆうめいなふりょう中学生よ」と注意しても、「中学生だろうとなんだろうとあやまれっ」とのび太はあくまで強気であった。

 

  三人の不良中学生の「ひとけのないところでゆっくりやろうぜ」との提案を、のび太は「いいともと!」と言いながら引き受けた。ドラえもんがいるから大丈夫だと思って、当たりを見渡すと、周りのどこにもドラえもんの姿が見えません。「ドラえもん!!」と叫びながら、逃げ出すと、不良中学生が追い掛けてきた。

 

 道路で気絶して横になっている透明のドラえもんに先生はつまずいて、「ドッテン」と倒れてしまった。たまたま、手探りでドラえもんのヒゲを一本引き抜くと、ドラえもんは「ギャオエ」と絶叫した。

 

  ヒゲを抜かれて、力がなくなったドラえもんが「ヨロ ヨロ」歩いていると、セワシが『タイムテレビ』でのび太のピンチを見てやって来た。セワシはのび太に変装して、のび太を探している不良中学生の前に登場した。中学生が「ガオー」と襲ってきた時、変装のび太は「パツ!!」と消えてしまった。

 

 塀の後ろに隠れていたのび太はジャイアンとスネ夫に発見され、不良中学生の前まで連れてこられた。ジャイアンがのび太の背中を「それいけ!」と強く押すと、不良中学生にドンとぶつかったが、セワシの力を借りて、のび太は三人とも「ドタッ」とぶっ倒してしまった。

 

  木陰で、セワシはドラえもんに「あれで自信がついただろう」と話していた。一方、ジャイアンとスネ夫はその光景を見ながら、抱き合って震えていた。

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