国際保護動物スプレー[★★]

【道具解説】 ひみつ道具の『国際保護動物スプレー』を珍しい動物に吹き付けると、「からだに国際保護ガスがしみついて、国際保護においがでるから、敵におそわれることもなく安心していきていけるんだ」という優れものである。

 

【使用目的】 ドードードリやニホンオオカミが絶滅してしまったので、二度とそんなことがないようにドラえもんの世界では「国際保護動物スプレー」がつくられている。

 

【使用結果】  のび太が「国際保護動物スプレー」を持って歩いていると、木の棒でイヌをいじめている男の子がいたので、「プシュ」とイヌに吹き付けると、「これからだいじにするからな」と抱いて帰って行った。子ネコ四匹をすてたおばさんも「すてたりしてごめんね」と、ネコの入った段ボール箱を持って帰っている。

 

 その後、のび太は野良犬に左足をかまれ、ジャイアンとスネ夫がのび太をボーリングのビンに見立て、「のび太ボーリング」と名付けながら、ボールを投げてのび太を「ズデン」と転ばしている。さらに、追いかけてくるので、塀の横に隠れていると、先生に見つかり、「きみはますます成績が…。それなにのこんなところでフラフラと…」と説教されてしまった。

 

 「ぼくは動物保護のためいっしょうけんめいはたらいているのに!! みんなよってたかってぼくのことをいじめる!! どうしてトキばっかりだいじにしてぼくを…」と言いかけたとき、のび太は「野比のび太はぼく一人。もしぼくがいなくなったら…。ぼくは絶滅するんだ!!」と、「ハッ」と気づいた。のび太は保護しなくちゃと思いながら、「プシュ」とスプレーを吹き付けた。

 

 ジャイアンとスネ夫に見つかり、逃げたが「ギュ」と押さえつけられてしまった。すると。二人から「悪かった。だいじょうぶか? ケガはないか。一人で帰れるか。送っていこうか」と極端にやさしくされた。

 

  しずちゃんの家に行くと、「世界で一人しかいないのび太さんだもの。めずらしくて」と、「ジロ ジロ」見つめられた。おなかが「グー」となると、しずちゃんはママに「おなかすかして絶滅したらたいへん。なにかエサをあげて」と頼んでいる。

 

 町を歩いていると、「おういのび太が通るぞ!!」と指さされ、「のび太。本物ののび太。あれが世界でただ一匹ののび太だよ。よく見ておきなさい」と注目の的になった。ついには、虫網で「バサ」とのび太をつかまえ、おまわりさんに注意される年配の男性も出てきた。

 

  家に帰っても、ドアを「ドン ドン」叩いて、「いれろ! みせろ!」と町の人が殺到していた。ママが「家のまわりを見物の人がとりまいて…」と部屋に飛び込んできたが、ドラえもんは冷や汗を垂らしながら、「保護を取り消すクスリはなかったなあ」と懸命に四次元ポケットをさぐっていた。

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