声のキャンデー(声紋キャンデー機)[★★]

【道具解説】 ひみつ道具である『声のキャンデー(声紋キャンデー機)』は、人の声紋の特徴をとらえて、その声をキャンデーにする機械である。このキャンデーをしゃぶって声を出すと、キャンデーにした人の声になる。

 

【使用目的】 ドラえもんは指紋と同じように声紋の特徴をとらえて、キャンデーにする「声のキャンデー(声紋キャンデー機)」を取り出している。

 

【使用結果】 ドラえもんはジャイアンリサイタルで、ジャイアンに「声のキャンデー(声紋キャンデー機)」をしゃぶって歌ってもらうことにした。このキャンデーはテレビで、歌手の声から録ったものであり、ジャイアンが歌いだすと、きれいな声で、歌手みたいであったので、みんなは最後までとても楽しく聞くことができた。

 

 のび太が前に貸した本であったけれども、ジャイアンがのび太にあげるといって、めずらしく本をもってきてくれた。その上、仲良くしようとか、いいやつだとか、おれの親友だとか、のび太におせじを言いまくった。ジャイアンのお目当ては、当然このあいだのキャデーをもらうことであった。

 

 ジャイアンは『スターになろう』というテレビ番組に出るのが決まった。そのため、ジャイアンはどうしても優勝して、本物の歌手になりたいんだと、両手をついて頼むので、ドラえもんも根負けして、キャンデーを与えることになった。

 

 「スターになろう」という番組で、ジャイアンが天地真理の声で歌うというので、家族そろってテレビの前で待機していた。パパが「優勝できるといいがね」というと、ドラえもんは自信を持って、「そりゃまちがいないよ。プロののどで歌うんだもの」と答えている。

 

しかし、ドラえもんが、突然、「あのこと注意しとくのわすれていたぞ! クスリのききめが30分しかもたい」と言いだした。「もし、はやくのみすぎていたら、あのおそるべきジャイアンのドラ声が電波にのって日本じゅう」と危惧していると、テレビに登場したジャイアンは「サ、サ、3番! ゴ、ゴ、剛田武!」といつもの声で、顔を真っ赤にして名前を名乗った。

 

 「はやく! 耳にせんをして!」と叫んだが、間に合わず、「ボエ~」の声で野比家の一家は吹っ飛んでしまった。次の日、しずちゃんは「あの放送のおかげで故障したテレビが、かなりあったとか」、スネ夫も「おおぜいの人がたおれて、全国の救急車がてんてこまいしたとか」とうわさしていた。

 

  さらに、しずちゃんは「かんかんにおこってるわよ。よくもはじをかかせたなって。ドラちゃんたちを見つけたら、ただじゃおかないって」と付け加えている。

 

 のび太がくよくよして外を歩いていると、ジャイアンに出会った。ジャイアンが猛烈な勢いで追いかけてきたので、ドラえもんは準備していた非常用のキャンデーを取り出した。「たけし! らんぼうするとしょうちしないよっ」という声が流れたので、ジャイアンは「ドキン」として逃げて行ってしまった。ドラえもんは「ジャイアンのおかあさんの声をとっていてよかった」とのび太に語りかけている。

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