コエカタマリン空飛ぶタイプ[★★]
【道具解説】 ひみつ道具である『コエカタマリン』を飲んで、大声で叫ぶと文字が固まる。『コエカタマリン空飛ぶタイプ』では、文字に乗って空を飛ぶことができる。のび太の経験では、カタカナの「ワ」が乗り心地最高である。
【使用目的】 のび太が学校から帰宅すると、以前に使ったことのある「コエカタマリン」が部屋に置いてあった。学校に遅刻しないためには、「コエカタマリン」を使うアイディアが閃いた。
【使用結果】 部屋には「コエカタマリン」が置いてあった。このひみつ道具を見て、のび太にすばらしい考えが閃いた。声は音であり、音は一秒間に空気中を三百メートル以上の速さで走ることができる。もし声のかたまりに乗ることができればと思って、「アー」と叫んでみたが、速すぎて乗ることができなかった。
ママに「コエカタマリン」を飲んでもらって、「きょうもちこくして立たされた」と報告すると、「ノビタ」と怒鳴られた。「ノ」に乗って、「音速字ェット機な~んちゃって」とダジャレを飛ばしながら乗っていると、「フラ ドサ」と墜落して、ママの声でも学校までは行けないことがわかった。
のび太は自分の声に乗れれば、何度も怒鳴りながら行けることに気づいた。壁に向かって叫べば音がはね返ってくるのでそれに乗ればいいと思い、その結果、「ワ」の字が一番乗りやすいことがわかった。「ワ」の字で空中飛行を楽しんでいたが、途中、スネ夫の庭に「ザブン」と不時着陸してしまった。
ゲームを楽しんでいたスネ夫とジャイアンに道具を奪われそうになったので、「ロ」の文字をぶつけて危機を脱出することができた。
だいぶ自由に乗りこなせるようになったので、しずちゃんと訓練をかねて高井山へ行くことにした。「ワッ」という間に高井山に到着し、「ヤッホー ドシン ヤッホー ドシン」のこだまがあちこちにぶつかっているのを楽しみに聞きながら、戻ってきた。
「高井山登山中の二人が…、空からおちてきた大きなヤの字とホの字にぶつかってけがをしました」と夜のニュースで報道していた。ドラえもんはのび太が黙って「コエカタマリン」を使ったことに気づき、とても厳しい表情でにらんでいる。
のび太はドラえもんに「コエカタマリン」を取り上げられてしまったので。布団の中で、「あしたからどうしよう。しんけんに考えなくちゃ。先生をねむらせる方法はないか…。日本中の時計をおくらせる方法は…」と考え続けた。
次の朝、ママから「まだねてるの!! さっさとおきなさい!!」と命令された。のび太は学校へ行くとき、「しんけんに考えたからねぼうしたんだよ!!」と懸命に言い訳していた。
[S12397・A34007・048208:346]