苦労味噌[★★]

【道具解説】 ひみつ道具である『苦労味噌』をなめると、「何をするにもひどく苦労することになる」

 

【使用目的】 パパの言う七難八苦を体験するために、のび太はドラえもんに「苦労味噌」を出してもらっている。

 

【使用結果】 のび太は「くろうみそ」を「ペロ ペロ」なめたあと、スックと立ち上がって、「まずおやつを食べる」と宣言した。テーブルののりを巻いたお餅を食べようとしたとき、ママから手を洗ったのと言われ、手を洗おうとしたら石けんがなかったので、ママに買ってくるように頼まれた。

 

  パパからも、ついでに太田さんのところへゴルフバッグを取りに行ってほしいと言われた。どこの店も休業であり、町外れで開いていた薬局で、かろうじて石けんを手に入れることができた。

 

 太田さんの家まではたっぷり一キロあり、ゴルフバッグは意外に重いことに気づいた。バッグを背負って歩いていると、向かい風が「ピュウ ビュウ」と吹いてきて、ほこりも汗も目にはいったが、「くじけないぞ!!」と頑張って、家に着いたときは「フニャラ~」となって、玄関でバッタリ倒れてしまった。

 

  のび太はおやつを食べながら、「たかがおやつを食べるために、こんなに苦労するなんて、わりにあわないや」と思い、そのことをパパに告げた。

 

のび太の話を聞いて情けなくなったパパは、模範を示すため「くろうみそ」を「パク パク」と食べ、「苦労は金を出しても買え」と昔の人の言ったことを紹介している。何度もライターでタバコに火をつけようとしたが、石がなくなっていると気づき、ママにマッチを頼んだが、あいぬく、マッチが切れていた。

 

タバコ屋も休みであったので、駅前の喫茶店でマッチをもらおうと出かけようとすると、雨が振りだした。カサはこないだ太田さんのところに忘れてきたので、カサをさして出かけることもできなかった。

 

 ドラえもんとのび太は「ニヤ ニヤ」し、「どうする? タバコすうのあきらめる」と尋ねると、パパは「男が、一度思いたったことをあきらめられるか!!」と答え、昔のやり方である、木と木を「ゴシ ゴシ ゴシ」とこすりあわせて、火をおこそうとした。それを見た、のび太は「これでなくちゃいけないのかしら」、ドラえもんは「人生はきびしいなあ」といった感想を真面目に表白している。

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