おそるべき正義ロープ [★★]
[初出誌] 『せいぎロープ』、「小学二年生」1980年5月号、9頁、61コマ
[単行本] 『おそるべき正義ロープ』、「てんとう虫コミック ドラえもん第23巻」1982年1月25日 初版第1刷発行、10頁、71コマ
[大全集] 『おそるべき正義ロープ』、「藤子・F・不二雄大全集 ドラえもん 12」2011年3月30日 初版第1刷発行、10頁、71コマ
【初出誌vs.大全集】
タイトル『せいぎロープ』が『おそるべき正義ロープ』に変更
「わるものをこらしめにきてくれ」が「悪者をこらしめてきてくれ」に変更[110(6)]
「文字なし」コマ挿入[113(3)]
「これからは正義ロープが町の平和を守ってくれるだろう」コマ挿入[113(5)]
「文字なし」コマ挿入[114(2)]
「ニョロ ニヨロ」コマ挿入[114(3)]
「この本、おもしろいね」、「こっちがもっとおもしろいわよ」コマ挿入[114(6)]
「?」コマ挿入[115(1)]
「グル」コマ挿入[115(2)]
「うそのつみだとどのくらいしばられるの?」、「三十分ほどかな」、「いやあん」コマ挿入[115(5)]
「しばふにはいるな」が「はいるな 立入禁止」に変更[116(5)]
「ニュウ」コマ挿入[116(6)]
「文字なし」コマ挿入[116(8)]
「?」コマ削除[101(4)]
「ただのナワを見て、びっくりしたんだ」、「これからは、いつもあれをもっていようか」コマ削除[101(5)]
「はやく正義ロープを」、「よ、よしっ」コマ挿入[117(4)]
「まずい!ここじゃ使えないよう」、「しばふにはいるな」、「せいぎ」コマ挿入[117(5)]
[梗概] のび太は「ま、ま、ま、おこる前によく考えてみようよ。きみとぼくとどっちが正しいか…」と懸命に説得したが、ジャイアンから「ボカ」と殴られ、胸を叩いて「正しいのは、いつもおれだ」と言われてしまった。それを見てスネ夫は震えながら「そうそう、ジャイアンはいつも正しい」と、いつものようによいしょしている。
のび太が泣いて、「正しいものが泣かされて、悪者がいばってる」と強く訴えると、ドラえもんも激怒して、ひみつ道具『正義ロープ』を出してくれた。このロープのタネを一粒まくと、「ムク ムク」と芽を出し、つる草のサイボーグになる。
そして、悪者をぜったいゆるさなくなる。スネ夫が突然のび太を「ワッ」と脅し、「のび太はおくびょうだな」とバカにすると、つる草がスネ夫に巻き付いて、お仕置きをしっかりしてくれた。たいした罪でもなかったので、スネ夫は五分程度でほどいて解放された。
ジャイアンと歩いていると、自動車が水たまりを走ったので、運悪く、「ビシャ」とジャイアンにかかってしまった。ジャイアンは「おまえがおれの前を歩いていれば、水がかからなかった」と無茶な言い掛かりを付け、殴りかかろうとしたので、つる草がジャイアンに強く巻き付いた。
ジャイアンはそれでも、足で「ボカ」とドラえもんの後頭部を蹴ったので、がんじがらめに電柱に縛られてしまった。のび太もドラえもんも「これからは、正義のロープが町の平和を守ってくれるだろう」と確信した。
雨が降り出したので、のび太のママは洗濯物を取り入れ、廊下を急いでいると、「正義ロープ」のビンにつまずいてスッテンと転んでしまった。そのはずみで、吹っ飛んだビンのタネが全部「パラ パラ」と、庭一面に派手にばらまかれてしまった。
ドラえもんとのび太は雨宿りのため、しずちゃんの家に駆け込んだ。本を楽しくみんなで読んでいると、ママから「しずちゃん、ピアノのレッスンのお時間よ」と言われたが、ピアノの先生が厳しくて嫌いであるので、お腹が痛いから休むというウソをついた。
すると、窓からつる草が「ニュウ」と侵入して、しずちゃんを縛ってしまった。三十分ほど縛られるので、タネのビンがないとほどけないので、雨の中、ビンを探しに外に出かけた。
縛られている人に次々出会ったので、ロープがうようよしていることがわかった。近道して急ごうとしたため、「立ち入り禁止」区域を走り抜けようとしたら、みんなロープにつかまってしまった。ロープに縛られたまま野比家の庭まで来ることができたので、ドラえもんが足で、「ロープ呼び戻しボタン」を「カチ」と押すことができた。
ロープがもとのタネに戻ると、ジャイアンとスネ夫が「よくもやったなっ」と追い掛けてきたので、一目散に逃げて、木の茂みに隠れた。正義ロープを使おうとしたら、「しばふにはいるな」という表示が出ていて、使えなくなってしまった。ジャイアンとスネ夫はふたりに気づき、ニヒルに笑いながら、近づいてきた。
[S1214・A2303・028005]