しあわせな人魚姫[★★]
[初出誌] 『無題』、「小学二年生」1979年8月号、7頁、43コマ
[単行本] 『しあわせな人魚姫』、「てんとう虫コミックス ドラえもん第19巻」1980年7月25日 初版第1刷発行、7頁、43コマ
[大全集] 『しあわせな人魚姫』、「藤子・F・不二雄大全集 ドラえもん 11」2010年11月30日 初版第1刷発行、7頁、43コマ
【初出誌vs.大全集】
タイトル『無題』が『しあわせな人魚姫』に変更
[梗概] すぐ泣くベソ子が遊びに来たので、のび太は外に出かけてしまった。ドラえもんがベソ子に『人魚姫』の絵本を読むことになった。「人魚姫は、王子さまをたすけました。王子さまを好きになった人魚姫は、声とひきかえに、足をもらいました。それなのに、王子さまはとなりの国のお姫さまと結婚したのです。人魚姫は、海のあわになってきえました」と読み終わると、ベソ子が「かわいそう」と言って、「ワ~ン」と泣き出した。
ママから泣かしちゃだめじゃないのと叱られてので、ドラえもんは、この本は、かなしいからいけないんだと思い、ひみつ道具『絵本入りこみぐつ』を使って、絵本の中に「スポ」と入った。ちょうど、嵐の中、人魚姫が王子を助ける場面であった。
場面が変わって、人魚姫が「どうしても足がほしいのです」と頼むと、魔女が「そのかわり、おまえのかわいい声をもらうが、いいかい」といじわる言うので、ドラえもんは「ひどい。足ぐらい、ただでやればいいのに。かわいそうに、なさけしらず。けちんぼ」とけなすので、魔女も「やるよやるよ。やりぃいんだろ、もう」とやけになって、人魚姫に与えている。
人魚姫が飲むと、足になったので、めでたしめでたしとドラえもんは思っていた。そこへ、となりの国のお姫さまと婚約した王子さまが通りかかった。
「王子をたすけたのは、あんただってどうしていわないの?」と人魚姫を責めたあと、王子や人魚姫に、「恩しらず。うわき者。あんなもいってやれいってやれ」がなり立てたので、王子の「ちっともしらなかった。きみがぼくをたすけてくれたのか。結婚してくれますか」に、人魚姫も「はい、王子さま」となり、めでたしめでたしとなった。
のび太が帰ってきたので、ベソ子は「人魚姫」をもう一度読んでもらった。のび太はなんだこりゃと思いながら、「人魚姫は、ただで足をもらいました…。王子は、人魚姫と結婚しました」と読み終わった。すると、ベソ子は「お話がちがうわ~ん」と、いつもより大きな声で泣き出した。
[S1118・A1905・027908]