驚時機(マッドウオッチ)[★★]

【道具解説】 ひみつ道具である『驚時機(マッドウオッチ)』は「身のまわりの時間の進みかたを、はやめたりおそくしたりすることができる」代物である。作動ボタンを押し、逆転スイッチをCにセットすると、一分につき一時間の割合で時間が経過する。さらに、倍数カウンターを使うと自由に時間の経過を調整できる。なお、このひみつ道具を使う者は、時間の流れの外に身を置くことができる。

 

【使用目的】 ママの説教があと四十五分も続き、その間に、しずちゃんが遊びに来る約束になっていたので、のび太がドラえもんに相談すると、「驚時機(マッドウオッチ)」を出してくれた。

 

【使用結果】 のび太は「驚時機(マッドウオッチ)」を二十倍の早さで使ったので、ママの説教もテープの早回しのようにすぐに終わってしまった。ドラえもんがおもしろがって使うものではないので、返しともらおうと言いながら追いかけてきた。しかし、のび太はドラえもんのいる部屋だけ、時間の進み方を百倍遅くしたので、追いかけられたが軽々逃げることができた。

 

 のび太がしずちゃんを迎えに行く途中で会ったので、家まで連れてきた。この道具を使うとヤカンの水も一瞬にわいたので、のび太はお茶を入れることができた。時間がたっぷりあったから、しずちゃんからなにして遊ぶと尋ねられた。トランプでは、ババヌキしか、オセロでは、勝ったことがない、レコードでは、ぼくのもっているの、ピンポンパンと、ロンパールームという返事であった。

 

  「わたしって時間をむだにすごすのが大きらいなの」と怒り出したので、のび太は「もっとのんびりしようよ」と言って、この道具のスイッチを「カチ」と押している。

 

 のび太は「こうしてポカーンと…、きみの顔を見ているだけで…、何ともいえず安らかな…、ゆめみるような気もち…」と言っているうちに、「グウ」と寝てしまった。しずちゃんに起こされたので、この道具を「クリッ」と止めた。しずちゃんが立ち上がって帰ろうとしたので、「どうして帰るの? 今きたばかりなのに」と引き留めようとした。

 

  となりのドラえもんのいた部屋では、時間を戻すのを忘れていたので、ドラえもんだけでなく、パパやママもほぼ静止した状態で立っていた。外に出ると、真っ暗で真夜中の時間帯になっていた。

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