あらかじめ日記はおそろしい[★★]

[初出誌] 『あらかじめ日記』、「小学二年生」19779月号、7頁、45コマ

[単行本]  『あらかじめ日記はおそろしい』、「てんとう虫コミックス ドラえもん第16巻」1979125日 初版第1刷発行、7頁、45コマ

[大全集] 『あらかじめ日記はおそろしい』、「藤子・F・不二雄大全集 ドラえもん 92010830日 初版第1刷発行、7頁、45コマ

 

【初出誌vs.大全集】

 タイトル『あらかじめ日記』『あらかじめ日記はおそろしい』に変更

 「未来のことを書いておけば、その通りのできごとがおこるんだ」が「未来のこともこれに書いておけば、そのとおりのことがおきるんだ」に変更[138(5)]

 「なまけものだなあ。ようし」が「なまけものだなあ」に変更[139(1)]

 

 「こんなのいやだよう」が「こんなのいやだよっ」に変更[139(4)]

 「とてもおこりそうもないことを書いたら、どうなるかな」が「じゃ、もし……とてもおこりそうもないことを書いたら、どうなるだろう」に変更[140(1)]

 「たとえば、空からあめ玉がふってくるとか……」が「たとえば、空から雨じゃなくてあめ玉がふってくるとか」に変更[140(2)]

 

 「ドラえもうん」が「ドラえも~ん」に変更[140(6)]

 「飛行きのとびらがこわれ、つんであったキャンディがおちてきたものです」が「飛行機の荷物室のとびらがこわれ、積んであったキャンディがばらまかれたものです」に変更[140(8)]

 

 「キャンディをひろった」、「この日記のおかげだぞ」が「キャンディをひろってもうかった」、「ぼくのおかげだぞ」に変更[141(1)]

 「ようし、じっけんしてやる」が「よおし、実験してやる」に変更[141(3)]

 「やりやがったな」が「やい、やりやがったな!」に変更[141(7)]

 

 「知らないっ」が「知~らない」に変更[142(1)]

 「なんとかしてよ」が「なんとかして」に変更[142(2)]

 「ええっ、それはもうどうしようもないぞ」が「ええっ、それはもうどうしようもない」に変更[142(3)]

 

 [梗概] 泊まりがけで山へ行ってきたので、のび太とドラえもんは上機嫌であった。一方、スネ夫が「あしたから三日も海へいくんだぞ」と自慢すると、のび太は「あしたから三日間雨がふるんだよ。ずっとまえからきまっているんだ」と、なぜか告げている。

 

 のび太のパパもママもやたらに海や山へ出かけて忙しくて、疲れ切っていた。のび太が「あしたは映画を見にいこうね」と頼むと、ママは「だめっ」、パパも「もうどこへもいかんぞ」と断っているが、のび太から「きっといくよ。まえから決まっているんだもの」と言われている。

 

 のび太はドラえもんに出してもらったひみつ道具『あらかじめ日記』に、未来に起こることを書いているので、その通りのことが起こっている。のび太はその日記に、「山から帰ってくる。すぐ昼寝する」と書き、「グウ」と昼寝をし出したので、ドラえもんは「すぐ勉強はじめる」と付け加えた。

 

  「むくり」と起きたのび太は勉強したくないと言いながら、日記を「ゴシ ゴシ ゴシ」と消したがどうしても消えなかった。一度書いたことは絶対にその通りになることがわかった。

 

 のび太は「空から雨じゃなくてあめ玉がふってくるという、とても起こりそうにないことをこの日記に書いてみた。すると、「パラ パラ」と空から本当にアメ玉が降ってきた。テレビからは「飛行機の荷物室のとびらがこわれ、つんであったキャンディーがばらまかれた」というニュースが流れてきた。

 

 のび太がこの日記をもって歩いていると、スネ夫はキャンディーをひろってもうかったと喜んでいた。この日記のおかげだというと、スネ夫は日記を奪って、実験のため「のび太はジャイアンになぐられ、しずちゃんにくびをしめられ…ライオンに食べられる」と書いた。なにを書くんだと、この日記をスネ夫に投げつけると、「ヒョイ」とよけたので、ジャイアンの顔に「バサ」と当たってしまった。

 

 ジャイアンから「やりやがったな!」とメリコミパンチをもらい、その上、しずちゃんの跳んでいた縄跳びの縄に首が「ギュ」と絡まってしまった。テレビからは「動物園のライオンが逃げ出しました」というニュースが聞こえてきた。

 

 大急ぎで家に帰り、ドラえもんに「なんとかして!」と頼んだが、どうしようもないという返事だった。「ぼくが、ライオンに食べられてもいいのか」と叫んでいるとき、「にげだしたライオンがつかまりました」というニュースが流れた。庭で日記を燃やしながら、のび太は「たすかったけど日記はおしかったなあ」といった感想を漏らしていた。

[S0918A1618027709]