声のかたまり[★★]
[初出誌] 『コエカタマリン』、「小学二年生」1976年10月号、8頁、52コマ
[単行本] 『声のかたまり』、「てんとう虫コミックス ドラえもん第12巻」1976年12月25日 初版第1刷発行、8頁、52コマ
[大全集] 『声のかたまり』、「藤子・F・不二雄大全集 ドラえもん 8」2010年6月30日 初版第1刷発行、8頁、52コマ
【初出誌vs.大全集】
タイトル『コエカタマリン』が『声のかたまり』に変更
[梗概] のび太は「わあん」とものすごい泣き声で、いつものようにジャイアンにいじめられて帰ってきた。のび太が「ジャイアンよりせがひくくて、やせていて力が弱く、気も弱いから」と、泣く理由を並び立てた。ドラえもんはそれを聞いて、「まけないの泣き声の大おきさだけか…」がヒントになって、ひみつ道具『コエカタマリン』を出すことにした。
「コエカタマリン」は液体であるので、のび太はくすりきらいといって、押し入れに隠れてしまった。そのため、ドラえもんがまず飲んで見本を示すことになった。ドラえもんが「ワッ」と叫ぶと、固まった声がのび太の頭を直撃した。そして、ジャイアンにいじめられそうになったら、大声で怒鳴ればいいとアドバイスされた。
この薬を飲んで出かけると、ジャイアンではなく、しずちゃんに出会った。そして、木にひっかかったボールをとってほしいと頼まれた。あまり高いので、「エー」と叫ぶと、「エー」が固まったので、それでボールをとることができた。
しずちゃんから「のび太さんてふしぎなことができるのね。もういっぺんやってみせて」と頼まれているとき、野良猫のクロが魚をくわえて逃げるので、「コラ」と叫ぶと、固まった「コ」で、ネコを捕まえることができた。しずちゃんが絶賛するので、のび太が「ハハハハハハハ」と大笑いすると、固まった大量の「ハ」がしずちゃんを直撃してしまった。
ジャイアンがなかなか見つからないので、探していると、むしゃくして、だれかをいじめたがっているジャイアンが、のび太を見つけて追いかけてきた。ジャイアンに気づいたのび太が「イタ」と叫ぶと、その文字がジャイアンをノックアウトしてくれた。目の覚めたジャイアンが「やったなあ」と立ち上がると、のび太の「バカ マヌケ トンマ ウスラデブ ノータリン」といった声のかたまりの総攻撃を受けることになった。
のび太が「やったよ。ドラえもん」と大喜びで、玄関から廊下に入ろうとしたとき、「ヨ」の固まった文字につまずいて、「スッテン」と転んでしまった。部屋の中では、ドラえもんのくしゃみが止まらず、「ハクション」を繰り返していた。そして、ママから「家の中をちらかさないでっ」と注意されていた。
[S0814・A1218・027610]