痛みはね返りミラー[★★★]
[初出誌] 『いたみはねかえりミラー』、「小学二年生」1976年9月号、8頁、60コマ
[単行本] 『痛みはね返りミラー』、「藤子不二雄ランド ドラえもん短編第11巻」1985年4月12日 初版発行、8頁、60コマ
[大全集] 『痛みはね返りミラー』、「藤子・F・不二雄大全集 ドラえもん8」2010年6月30日 初版第1刷発行、8頁、60コマ
【初出誌vs.大全集】
「ためしてみるよ。ジャイアンのばあか」が「ためしてみるよ。ジャイアンのばーか」に変更[102(4)]
「あ、あ……」が「あ、あ…あ」に変更[103(2)]
【単行本vs.大全集】
「あ、あ……」が「あ、あ…あ」に変更[103(2)]
[梗概] のび太は今日もジャイアンに殴られた。しずちゃんが乱暴するのはよくないとジャイアンを注意すると、今にも殴りかかりそうになった。それでも、しずちゃんは「悪いことは悪いわ」と懸命に説得し続けている。
ジャイアンの乱暴にはほとほと手を焼いていたので、ドラえもんは『痛みはね返りミラー』を出して、ジャイアンにお灸を据えようとした。この鏡を持っている人が殴られると、殴った者に二倍の痛さがはね返るひみつ道具である。
土管のある広場では、しずちゃんがジャイアンに「ほんとに強い人はやたらに弱い者いじめなんかしないのよ」と説得し、ジャイアンもしずちゃんに「二度とこのげんこつを使わないことを誓うよ」と約束していた。
この鏡を持って仕返しに行くと、ジャイアンはしずちゃんとの約束を守って、暴力は一切使わず、「おれが悪かった。今までのこと許してね」と謝った。のび太がジャイアンから殴れと言われたので、殴ると、痛いのはのび太のほうであった。ジャイアンは殴られても怒らないと心に誓っていたので、スネ夫に足蹴りされ、友だちに殴られても、笑いながらジッと我慢していた。
この鏡は役に立たないと言って、のび太は路上に投げつけて、捨ててしまった。きれいな鏡だったので、しずちゃんが拾うと野球のボールに当たっても、痛いと叫んだのは野球選手の方であった。殴られぱなしのジャイアンは堪忍袋の緒が切れて、バットを持ってスネ夫たちを追い掛けた。のび太に会うと、殴りかかろうとしたので、げんこつの誓いの話をすると、げんこつの代わりにバットで殴り出した。
のび太が鏡を捨てたことを後悔して歩いていると、ドラえもんから鏡を捨てた件で強く叱責された。探していると、歯科医院から、「ギャアー アアア」と叫びながら、歯医者さんが飛び出してきた。歯科医院の窓から、しずちゃんが顔を出して、ポカンと見ていた。
[S0813・I1117・027609]