大男が出たぞ[★★]
[初出誌] 『からだポンプ』、「小学二年生」1976年8月号、7頁、47コマ
[単行本] 『大男が出たぞ』、「てんとう虫コミックス ドラえもん第12巻」1976年12月25日 初版第1刷発行、7頁、47コマ
[大全集] 『大男が出たぞ』、「藤子・F・不二雄大全集 ドラえもん 8」2010年6月30日 初版第1刷発行、7頁、47コマ
【初出誌vs.大全集】
タイトル『からだポンプ』が『大男が出たぞ』に変更
「きゃっ、何するのよっ」が「きゃっ、なにするのよ」に変更[91(2)]
[梗概] ジャイアンはのび太に馬乗りになり、派手に「ボカ ボカ」と殴っていた。のび太はジャイアンの強いのは、からだが大きいからだと思ったので、ドラえもんにひみつ道具『からだポンプ』を出してもらっている。土管の上にどっかと座り、ジャイアンは「この町で、おれにさからうものはいない。おれは王様だ。さからうものは死けい!」と豪語していた。
木陰で、「フフフ…」と笑う声が聞こえたが、ジャイアンがあたりを探したが誰も見当たらなかった。足跡を見ると、巨大であり、「ぎゃあ。大男だ」と飛び上がって驚き、顔を真っ赤にし、意味不明の言葉を発して往来を走っていると、かあちゃんに首筋をつかまれてしまった。かあちゃんはジャイアンの額に手を当て、「そんなことあるわけないだろ」と言って、買い物に出かけ、留守番を頼んでいる。
元気になったジャイアンは「大男なんかこわくない」と歌いながら歩いていると、のび太から「きみあての手紙をあずかってきたよ」と手紙を手渡された。その手紙には「おまえはいつもいばっているそうだからやっつけてやる おおおとこ」と書かれてあった。
ジャイアンが「このやろう。へんないたずらをするな」と叫んでのび太を追いかけると、のび太は「ほんとだよ。二階までとどくでっかいやつだよ。きみをひねりつぶすっていってたよ」と走りながら答えている。
ジャイアンは家に帰って、玄関の鍵をしっかりかけ、「かあちゃんはやく帰ってこないかなあ」と珍しく、意気消沈していると、二階から「コン コン」、「こんにちは」という声が聞こえてきた。二階へ上がると、巨大な左手が見え、「ジャイアンのうちはここかね」と尋ねるので、ジャイアンは「ギャア」と絶叫し、階段を「ドタ ドタ ドタ」と転げ落ちた。
ベランダののび太は満足げであり、手から「からだポンプ」を「ポロ」と外し、「シュウ」ともとの手に戻している。玄関から、「かあちゃんだよ。あけてくれ」、「うそだ。大男だ。だまされないぞ」という声が聞こえてきた。
家に帰るとママがアイスクリームを食べていたので、「ずるいや」と抗議すると、ママから「分けてあげるわよ、ひと口だけ。アーンして」と言われたので、のび太は「からだポンプ」を顔に当てて使った。「だってどうせひと口なら大きい口のほうがとくじゃない」とドラえもんに言い訳している。畳の上では、ママが目を回し、大きな舌を出して、横たわっていた。
[S0812・A1213・027608]