観光ビジョン[★★]
【道具解説】 ひみつ道具である『観光ビジョン』のダイヤルで、緯度と経度を調整すれば、そこの景色を電送してまわりのスクリーンに写すことができる。ダイヤルは百キロ単位の大移動用から、メートル単位の微調整用までの四段階に分類されている。
【使用目的】 スネ夫は軽井沢の別荘を夏休み中借り切って勉強しているので、のび太はドラえもんに勉強するためには、環境がとても大切だと力説している。すると、ドラえもんは突然「観光ビジョン」を出してくれた。
【使用結果】 のび太が環境さえよくなれば、勉強すると主張するので、ドラえもんはひみつ道具「観光ビジョン」を使って、「ウイン ウイン ウイン」とうならせながら、カナダのジャスパー公園を出している。本物のカナダの公園であり、のび太は「枝が風にそよいでいる! さざ波がきらめいている!」という風景を実感することができた。
スネ夫が軽井沢に借りていた別荘を写し出すと、雨漏りがするので、スネ夫がなぜこんなボロ別荘を借りたのと問いただすと、ママはカサを家の中で差しながら、「いちばんやすかったからざます」と答えている。のび太が電話で「雨もりのぐあいはどう?」で尋ねると、スネ夫は「どうしてわかったの?」と驚愕している。
一方、ジャイアンはでべそを出して、グターッと寝そべっている。一方、しずちゃんも下着一枚で、アイスキャンデーをほうばりながら、夏の暑さに参った表情で昼寝をしていた。
よその家ばっかりのぞいているので、ドラえもんが叱りつけると、のび太が勉強できる環境を写しだそうとしたら、サハラ砂漠になってしまった。遠くに人影が見えたので、場所をそちらへ移動すると、倒れていた人がからだを「ヒク ヒク」させながら、「くるしい…。死ぬ…」と呻いていた。
「どこでもドア」で助けに行こうとしたら、カギがどうしても見つからなかった。「タケコプター」を出したが、時間が間に合いそうもなかった。そうしているうちに、「ゴオン ゴオン」と飛行機の音が聞こえてきて、なんとか救助されることになった。
ホッとして、二人ともグッタリしてしまった。ドラえもんが「そろそろ場所を決めて、勉強にかかろうよ」と促すと、のび太が「そういうけどね…。勉強むきのけしきって、なかなかないもんだねえ」と寝そべって答えるので、腹を立てたドラえもんは勉強向きの景色として、先生のお宅を出している。風鈴の鳴る部屋で、先生はビールを飲みながら、のび太の勉強をしっかりと監視することになった。
[S05479・A16135・067708:021]