環境スクリーンとプロジェクター[★★]

【道具解説】 ひみつ道具である『プロジェクター』には、地球儀がついていてピンで距離や高さを調節することができる。そして、見たい場所を『環境スクリーン』に映し出すことができる。

 

【使用目的】 スネ夫は環境ビデオをもっているので、気分だけでも騒がしい都会を離れ、勉強に集中できるのだと自慢している。そのため、のび太が勉強できないのは、環境ビデオがないためだと訴えると、ドラえもんは「環境スクリーンとプロジェクター」を出してくれた。

 

【使用結果】 「プロジェクター」には地球儀が付いていて、のび太が見たいところをピンで刺すと。「ド ド ドド」とナイヤガラの滝がでてきた。この景色、やかましすぎて勉強むきじゃないみたい」となり、次はカナダの原生林が現れてきた。「さわがしい都会をはなれて…。心があらわれるようだ…。グウ…」となってしまった。

 

 ドラえもんに「どんな景色ならいいんだよ!」と怒鳴られたので、「しずちゃんがいればいねむりしないよ」ということになった。ドラえもんが「どこでもドア」でしずちゃんを連れてくると、のび太はスクリーンの中で珍しいチョウを追い掛けて遊んでいた。

 

  海のまん中にピンを刺すと、しずちゃんは「ひろびろして、いい気もち…」、のび太も「こりゃいいや、気の散るものがぜんぜんないし」としばらく沈黙を守って勉強に専念した。

 

 イルカの群れが飛び跳ねたり、クジラが泳いだり、漂流者なんかがスクリーンに現れたりしたので、気が散って、しずちゃんは「能率があがるどころか…」と帰ってしまった。海はおもしろすぎるので、日本の平凡な雪山を出すことにした。

 

  「でも…、朝までかかってもできそうもないなあ…」、「やれるだけやるしかないじゃない!! いっとくが、二度とへんなものみつけるんじゃないぞ!!」、「そんなよゆうないよ。雪がふろうが、やりがふろうが…。猛ふぶきだろうが、しったことか!! だれがそう難しようが…。そう難!?」、「へんなものみつけるなといったのに」、「かってにうつってくるんだもん」となった。

 

 三メートル先も見えないひどい吹雪の中で、なんとか遭難者を見つけて、「どこでもドア」から収容することができた。「でも宿題はもう絶望的だあ!!」と思ったが、「ほんとにありがとう。灯京大学山岳部の仲間とはぐれて…」とラーメンをすすりながら言い出した。

 

  のび太は「灯大生ですか!? 灯大なら、小学生の宿題なんて、かるいよね!! このつぎはきっと自分でやるから、こんどだけ…。ね、ね、ね」と猛烈に腹を立てているドラえもんに謝っている。

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