人間切断機[★★]
[初出誌] 『人間切だんき』、「小学二年生」1975年12月号、10頁、66コマ
[単行本] 『人間切断機』、「てんとう虫コミックス ドラえもん第10巻」1976年4月25日 初版第1刷発行、10頁、66コマ
[大全集] 『人間切断機』、「藤子・F・不二雄大全集 ドラえもん 7」2010年4月28日 初版第1刷発行、10頁、66コマ
【初出誌vs.大全集】
変更なし
[梗概] のび太はおもしろいテレビを見ていたとき、ママから電球を買ってくるように頼まれた。ドラえもんも熱心に見ていたので、「テレビを見ながら、お使いに行けないかしら」とお願いすると、ひみつ道具『人間切断機』を取り出して、のび太の上半身と下半身を真っ二つに切断してしまった。
簡単にくっつくノリがあるので心配しないで、下半身に電子頭脳をつけて、電球を買いに行ってもらった。
買い物から帰ってきたので、上半身ののび太は下半身ののび太に、戸棚のおせんべいや飲み物を持ってきてもらった。同じ自分だから遠慮なく使えることができた。
しずちゃんが遊びにこないか、と迎えにきてくれたので、出かけることにした。途中、ジャイアンからサッカーの人数が足りないから来てくれと頼まれたので、渋々、下半身だけ行ってもらうことにした。
サッカーでは、足だけだから身軽なので、すばしっこい動きで相手を翻弄し、そのうえ、ジャイアンをわざと蹴っ飛ばしたりしていた。気分がいいのは、上に余計なものがのっていないからだとわかった。
しかし、「これまでぼくは、いつもそんしてた。テレビ見たり、おいしいものを食べるのはいつも上の方で…、ぼくはおもいからだをのせて、歩かされてばっかり」と考えると、猛烈に腹がたってきた。
しずちゃんの家で楽しくトランプをしていたとき、公園でももぐちやまえがロケーションをやっているという声が、窓の外から聞こえてきた。ドラえもんとしずちゃんは上半身ののび太をおいてきぼりにして、見物に出かけてしまった。
なんとかはって、玄関まで出ると、下半身のぼくがいたので、呼ぶと、「あかんべえ。もう、きみをのっけるなんていやだよ。ぼくは自由にくらすんだ」と、どこかへ行ってしまった。
そこへ、ジャイアンがやってきて、「さっきはよくもやったな」と脅したので、「ぼ、ぼく、知らないよ」と弁明した。すると、「足がやったことはおまえのせきにんだ」と言われ、「ボコ ボコ」殴られてしまった。
ドラえもんが下半身を追いかけたが、すばしっこくてどうしてもつかまえることができなかった。「このまま足がもどらなかったら、どうしよう」と泣きじゃくっているかたわらで、ドラえもんにいい考えが閃いた。
ドラえもんは上半身に水を「がぶがぶ」飲ませると、下半身は公衆トイレに行ったが、このままではできないことがわかったので、大急ぎで上半身のところへ帰ってきた。
[S0710・A1002・027512]