風の子バンド[★★]
[初出誌] 『風の子バンド』、「小学二年生」1975年1月号、7頁、49コマ
[単行本] 『風の子バンド』、「てんとう虫コミックス ドラえもんプラス第4巻」2005年8月25日 初版第1刷発行、7頁、49コマ
[大全集] 『風の子バンド』、「藤子・F・不二雄大全集 ドラえもん 6」2010年3月30日 初版第1刷発行、7頁、49コマ
【初出誌vs.大全集】
「ようし」が「よおし」に変更[153(8)]
[梗概] ドラえもんがコタツにあたって、暖を取っていると、のび太から、「さむさに弱いんなら、どうして強くなろうと思わないんだ。弱虫。いくじなし」といつもとちがって、逆に説教されてしまった。
「よおし」と立ち上がったドラえもんは『風の子バンド』を頭にはめた。この道具を付けている時に、寒いとか冷たいとか言うと、「ギュ…」と頭を締めつけられるひみつ道具である。
元気よくこのバンドを付けて、外に出ると風も強く、鼻水も出て、クシャミも止まらなかった。のび太の揚げている奴凧を借りて、走り回ると、水たまりで「バシャ」と転び、危うく「冷たい」と言ってしまいそうになった。
しずちゃんが「さむいわね」と言いながら近づいてくると、このバンドはドラえもんの頭をギュッと締めつけた。他人に言われても、頭を締めつけられるので、のび太にこのバンドをとってもらおうとしたが、頭が大きくてどうしてもはずすことができなかった。
ジャイアンは、スネ夫が凧を揚げさせてくれないので、「つめたいやつだな」と言った。それに対して、しずちゃんが大声で「だめよ、さむいとかつめたいとかいっちゃ」だめと注意すると、ますます「デデデデ」とドラえもんの頭は締めつけられた。
バンドをあたためれば、伸びてはずせるかと思い、急いで家に帰った。ママからの「おもてはさむかっ…」、テレビCMの「『カゼケロリ』を飲めば冬のさむ…」に対して、のび太は「ワー ワー ワー」と騒ぎ立てて、ドラえもんに聞こえないようにしている。
ママも状況を理解してくれたので、石油ストーブを持ってきて、「安心してあたためなさい」と言ってくれた。温めたので、ドラえもんは気持ちよくなってきて、思わず「ああねむい」と背伸びした。
すると、寒いと眠いを聞き間違えて、バンドが「ギュー」と強烈に締め付けたので、ドラえもんは「ピク ピク」震え出した。それを見て、のび太も「ほんとにひどいバンド」だと再認識することになった。
[S0622・B0406・027501]