おせじ口べに[★★]
[初出誌] 『おせじ口べに』、「小学二年生」1972年10月号、7頁、48コマ
[単行本] 『おせじ口べに』、「てんとう虫コミックス ドラえもん第1巻」1974年8月1日 初版第1刷発行、7頁、48コマ
[大全集] 『おせじ口べに』、「藤子・F・不二雄大全集 ドラえもん 4」2009年12月30日 初版第1刷発行、7頁、48コマ
【初出誌vs.大全集】
「にあうかしら」が「ちょっと派手かしら」に変更[93(1)]
「ははは」が「あっ、そうか、アハハ」に変更[93(2)]
「にてるにてる」、「何ににてるの」が「なんかに似ていると思ったら……」、「なによ、なにに似ているの」に変更[93(3)]
「ママにおこられちゃった」が「なにも食べかけのおやつまで取り上げなくてもいいと思うよ」に変更[93(5)]
「うん。どうだよくかけただろう」が「うん、ひさしぶりに気持ちよくかけた」に変更[93(7)]
「かんじたままにいったら、ひっぱたかれたよ」、「だれだって、わる口いわれたらはらがたつさ」が「感じたままにいったら、ひっぱたかれた。こんなのあるか」、「のび太くんは口がへただから、そんをしてるよ」に変更[94(1)]
「ほめればよろこんでくれるよ」が「だれだってほめられりゃうれしいし、悪口いわれると腹が立つさ」に変更[94(2)]
「どうほめたらいいんだろう」が「どうほめたらいいのかわかんない」に変更[94(3)]
「いいものがある」が「よし、そんなら」に変更[94(4)]
「これをぬってしゃべると、よろこんでくれるよ」が「これをぬってしゃべると、相手をよろこばせられる」に変更[94(7)]
「なぜそんなひどぴこというんだ」が「どうしてそんなひどぴこというんだ」に変更[95(1)]
「おせじ口べにはこっちがわだった」が「せじ口べにはこっちだった」に変更[95(2)]
「やりなおし」が「やりなおす」に変更[95(3)]
「よく見ると、じつにりっぱないい顔をしてるね」が「よく見るときみはじつにりっぱないい顔をしてるね」に変更[95(5)]
「こんなぐあいにおだてることができる」が「と、こんな風におだてることができる」に変更[95(6)]
「なんてかわいいドラえもん」、「ぼくをおだててもだめだよ」が「ころころふとって、なんてかわいいドラえもん」、「ぼくをおだててもしょうがない」に変更[95(9)]
「なんですか、その顔は」が「なんです、その顔は」に変更[95(10)]
「ママ、どうしてスターにならなかったの」が「ママ、どうして女優さんにならなかったの」に変更[96(2)]
「だって、とてもきれいだよ」が「ほんとだよ。そんなにきれいなのに」に変更[96(3)]
「子どものおせじは、みっともないよ」が「子どもがおせじをいうもんじゃない。みっともない」に変更[96(4)]
「おやつをこんなにもらった」、「聞いててはずかしかったよ」が「おやつとこづかいをこんなにもらった」、「聞いているほうがはずかしかったよ」に変更[96(9)]
「外でやろう」が「もっとやろう」に変更[96(10)]
「口べにぬってる」が「きゃっ、どうしたの」に変更[97(1)]
「あら、口べにがおちている」が「あらかわった口べに……」に変更[97(2)]
「ねえ、ママ」が「ねえきみ」に変更[97(3)]
「いいやつだな」が「なんていいやつだろ」に変更[97(5)]
「かきでも食べてくれ」が「カキでも持っててくれ」に変更[97(7)]
「つぎはこの犬でやろう」が「だれにでもかみつくイヌ」に変更[98(1)]
「ぬすんだものだけど、もてってくれ」が「盗んで来たものだけど、持っててくれ」に変更[98(3)]
「あっ。わる口口べにをつけたんだな」、「だめおやじとはなんだ」が「あっ、悪口べにをつけたな」、「ククーキーッ」に変更[98(5)]
[梗概] のび太はママから新しく買ったお気に入りの洋服に対して、感想を求められたので、率直に「デメ金」に似ていると「ゲラゲラ」笑いながら答えた。そのため、ママから食べかけのおやつも取り上げられてしまった。そのことを、絵を気持ちよく描いているパパに話した。すると、パパから、絵の感想を感じたままにいってごらんと言われたので、感じたまま言ったところ、ひっぱたかれてしまった。
ドラえもんからのび太は口が下手だから、損していると言われ、その上、悪口を言われると腹が立つものさと注意された。のび太がどうほめたらいいのか分からないと、率直に話すと、ドラえもんはひみつ道具である『おせじ口べに』を出してくれた。
ドラえもんがこの口べにを自ら塗ってデモすると、突然「大ばかやろうののろまのとんま」とのび太を笑いながら罵った。あわてんぼうのドラえもんは間違えてけんかのとき使う『悪口べに』を塗ったことに気付いた。
のび太が「おせじ口べに」を塗ってママに「どうして女優にならなかったの。…そんなにきれいなのに」とお世辞を「ペラ ペラ」と話した。すると、パパが、「子どもが、おせじいうもんじゃあない。みっともない」と注意すると、のび太はパパに対して「ぼくしあわせ。こんないいおとうさんを持って」と「ペラペラ」とお世辞を喋りまくった。
ママもパパも大喜びで、のび太はおやつとお小遣いをたんまりもらうことができた。ドラえもんも舌を出しながら、聞いている方が恥ずかしいと頭をかいていた。
のび太が口べにを塗って外で「ペラ ペラ」話すと、ジャイアンから「お、おれ、こんなにほめられたのはじめてだ」、スネ夫から「なんていいやつだろ」、しずちゃんからも「また、ほめてね」と涙を流して喜ばれた。町で一番の気難しいおじいさんからも袋一杯の柿をもらい、いつも咬みつく猛犬からもお宝の骨をプレゼントされている。さらに、ほっ被りした強盗からも今盗んでばかりのものを風呂敷ごと手渡されている。
家に帰ると、ママが「悪口べに」を塗って、「ペラペラ」喋りまくっているので、パパが「ククー キーッ」と絶叫し、大粒の涙を流し、両手を合計六本、両足を四本に揺すぶりながら描かれて、猛烈に怒り狂っている。
[S0419・A0110・027210]