ランプのけむりオバケ[★★]

[初出誌] 『けむりのおばけ』、「小学二年生」19721月号、11頁、75コマ

[単行本]  『ランプのけむりオバケ』、「てんとう虫コミックス ドラえもん第1巻」197481日 初版第1刷発行、11頁、75コマ

[大全集] 『ランプのけむりオバケ』、「藤子・F・不二雄大全集 ドラえもん 320091028日 初版第1刷発行、11頁、75コマ

 

【初出誌vs.大全集】

 タイトル『けむりのおばけ』が『ランプのけむりオバケ』に変更

 「おれんちは、おかしやなんかとられた」が「おれんちは、おかしをとられた」に変更[206(8)]

 

 [梗概] ドラえもんがお正月に仰向けになってのんびり寝ていると、二階ののび太から「ドラえもん ドラえもん」呼びつけられた。階段を「ダダダダ」と駆け上がって、用件を尋ねると、「寒くなってきたから、ストーブをつけてよ」という腹の立つ内容であった。ドラえもんが「それだけでぼくをよんだのか」と詰問すると、のび太は寝ながら「お正月ぐらい、なまけさせてよ」というものであった。


  ドラえもんは渋々ひみつ道具である『アラビンのランプ』を出して、正月のため怠けて暮したいというのび太のリクエストに答えている。このランプをこすると、こすった人の言うことを何でも聞いてくれるけむりのロボットの登場するひみつ道具である。

 

再度一階でドラえもんが寝ていると、ランプから出てきたけむりのロボットがドラえもんを、「ピュー」と二階ののび太の部屋まで連れてきた。そして、そのロボットはドラえもんにストーブをつけろと命令している。ドラえもんがのび太くんに聞けと怒鳴ると、ロボットはつまらないことで、ご主人を働かせたくないと答え、用がすんだらランプの中に「スウ」と消えている。


 もういっぺん使うため、ランプを「ゴシゴシ」とこすると、けむりのロボットが登場し、なんでもご用をいいつけてくださいと言うので、のび太はたくさん出ている冬休みの宿題をやってもらうことにした。すると、ロボットは窓から出掛けて、しばらくすると宿題を全部終えて帰ってきた。次にトランプや何かおいしいものをリクエストすると、またまた、すぐに準備をして戻ってきた。


 のび太がお年玉に百万円なんかほしいと冗談に頼むと、ロボットはお任せくださいと言って、部屋を出て行った。しばらくすると、パパが「ギャ~」と叫び、「オバケだあ」と喚き出した。ロボットは真っ赤になったパパに「百万円くれないと、ひどいぞ」と脅している姿をのび太は目にした。

 

  のび太が「いまのはじょうだんなんだよ」と言っても、ロボットは「一度受けた命令は必ず守るように作られているのです」と言い張るばかりであった。


 のび太がドラえもんに助けを求めて、一緒にパパの部屋に出向くと、パパが百万円持っていないことが分かったので、ロボットは表へすでに飛び出した後であった。のび太とドラえもんが往来に出ると、ロボットは頭の禿げたおじさんをつかまえたり、お嬢さんのハンドバックを奪っているところであった。

 

  ドラえもんが止めに入ると、ロボットは「邪魔するな」と叫んで、ドラえもんをゲンコツで「ボカッ」と殴り飛ばしてしまった。


 ドラえもんはランプには命令取り消しボタンが付いていたことを思い出し、部屋にランプを取りに戻って、ランプのボタンを「パチ」と押すと、けむりのロボットを「スウ」とランプの中に取り戻すことができた。

 

  しばらく、のび太が凧の舞う空を見ながら散歩していると、スネ夫は「けむりのオバケが入ってきて。トランプを取りあげて行っちゃった」、ジャイアンは「おれんちは、お菓子を取られた」、先生も「わたしは宿題をやらされた」と往来で話し合っているのを耳にすることになった。
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S0322A0115027201]