空とぶさかな[★★]

[初出誌] 『さかなをかいたいな』、「小学二年生」19715月号、9頁、51コマ

[単行本]  『空とぶさかな』、「てんとう虫コミックス ドラえもん第9巻」1975525日 初版第1刷発行、9頁、51コマ

[大全集] 『空とぶさかな』、「藤子・F・不二雄大全集 ドラえもん 320091028日 初版第1刷発行、9頁、51コマ

 

【初出誌vs.大全集】

 タイトル『さかなをかいたいな』が『空とぶさかな』に変更

 

 [梗概] スネ夫が手を「パン パン」と叩くと、庭の池の鯉が「ヌウ」と水面に現れた。しずちゃんとのび太の前で、「魚もなれるとかわいいよ、きみたちもやってみな」と、自慢しながら話している。そして、スネ夫はごめんごめんと頭をかきながら、「このへんで、にわに池があるのは、うちだけだった」と締めくくっている。

 

 その話をすると、ドラえもんは腹を立てて、うちでも魚を訓練しようと言い出した。あまり人の飼っていない魚がいいと言いながら、タケコプターを付けて海に出かけ、空中からひみつ道具である『空気の中でも生きることのできるえさ』を「バシャ バシャ」とまいた。しばらくすると、えさをくれた人に馴れ、空中を飛んでしっぽを振りながら、ドラえもんとのび太の後についてきた。

 

 のび太はスネ夫、ジャイアン、しずちゃんを家の前まで連れて来て、口笛を「ピピッ」と鳴らすと、家の中からたくさんの魚が「ヒラ ヒラ」空中を泳ぎながら出てきた。のび太の周りにまとわりつき、「チン チン」というとサッと立ち、「おまわり」というと「クル クル」回りだした。

 

  スネ夫から「いったいどうやって」と尋ねられたので、「このえさをギュッとにぎって」と秘密をしゃべってしまった。すると、ドラえもんに秘密をしゃべっちゃダメと注意された。

 

 道くさくっちゃダメだよと言いながら、魚を散歩に連れ出した。くやしくなったスネ夫は玄関横に置いてあったえさをひとつかみもらおうとしたら、留守番をしていたタコにスミをかけられ、五つのサザエに「ゴチ ゴチ」と頭を攻撃された。しかし、何とかひとつかみのエサをつかみ取ることができた。

 

 スネ夫は外国航路の船長をしているおじさんに、海の真ん中でえさをまいてもらうように頼んだ。どんな魚がくるか楽しみであったが、やってきた魚は大きくてあまり名前を知らない、変な魚ばかりであった。スネ夫は魚にズボンを食いつかれ、チェーンでつるされた円形の蛍光灯にしがみついていた。一方、ママはテーブルの下から、ほうきで魚を追い払いながら、「きゃあっ。たすけてざます」と叫んでいた。

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