わすれろ草[★★]
[初出誌] 『わすれろ草』、「小学二年生」1971年3月号、9頁、66コマ
[単行本] 『わすれろ草』、「てんとう虫コミックス ドラえもん第9巻」1975年11月25日 初版第1刷発行、9頁、66コマ
[大全集] 『わすれろ草』、「藤子・Ｆ・不二雄大全集 ドラえもん 2」2009年8月30日 初版第1刷発行、9頁、66コマ
【初出誌vs.大全集】
「出てこおい」、「ぎたぎたにしてやる」が「でてこーい」、「グタグタにしてやるぞ」に変更[138(5)]
「ええと」が「え-…」に変更[139(6)]
「わああ」が「ワア～」に変更[140(2)]
「わすれろ草だ。においをかぐと、なんでもわすれちゃうよ」が「わすれろ草だ。においをかぐと、なんでもわすれちゃう」に変更[141(1)]
「おお、そうか」が「お－、そうか」に変更[141(9)]
「思い出した」が「おもいでしたっ」に変更[142(2)]
「おお、そうか」が「おー、そうか」に変更[142(8)]
「そおら、においをかげ」が「そおら、においをかげ」に変更[()]
「あっ、まずい」が「あ－まずい」に変更[143(6)]
「このまんがおもしろい」が「このまんがお－もしろい」に変更[144(1)]
[梗概] のび太が塀にジャイアンとスネ夫の絵を描いて、矢印で二人に「バカ」という文字を付け加えていた。友だちが「ハハハ、そっくりだ」といっているところへ、ジャイアンとスネ夫がやってきた。のび太は「ダダダダ」と走って、辛うじて二人の追跡をかわして、家に帰ることができた。玄関の外では、二人が「でてこおい。グタグタにしてやるぞ」と息巻いていた。
ママからお使いを頼まれたけれども、断固拒否したので、「こんなわがままはゆるせないわ！」とすごい剣幕で叱られた。ドラえもんに相談すると、いいもの出そうといってあるひみつ道具を出してくれた。そのひみつ道具から「ポワ～ン」としたにおいがながれると、ドラえもんはすべてを忘れ、「ぼくはだれでしょう。どうしてここにいるのかな」といった感想を漏らした。
その間に、のび太はママに「ギュ」と耳をつかまれ、強制的に買い物に行かされようとしていた。玄関から外を除くと、二人はまだ、のび太がでてくるのをじっと待ち受けていた。
どうしたら、いいんだろうと焦っていると、ドラえもんが正気を取り戻し、こうしちゃいられないと言いながらのび太のところへやってきた。ママからお使いに行くようにといわれていたときに、ドラえもんはひみつ道具『忘れろ草』をママの目の前に差し出した。
「ポワ～ン」としたにおいをかいだママはすべてを忘れてしまい、「わたしなにをするつもりだったのかしら」と言うので、「おつかいにいくとこでしよ」と告げると、買い物カゴを下げて、いそいそとお使いに出掛けた。
ドラえもんが玄関前の二人のところに現れると、ジャイアンから「かわりになぐられにきたか」と脅されたので、ジャイアンの目の前に「ヒョイ」と「忘れろ草」を出して、「ポワ～ン」としたにおいをかがせた。手を挙げたジャイアンが「おれなにをやってんだっけ」と尋ねるので、ドラえもんは「スネ夫をなぐるんだろ」と答えると、ジャイアンは「ドカ」とスネ夫にメリコミパンチをかましている。
しばらくすると、落書きを見たジャイアンは「思い出した。なぐるのはのび太だった」と言いながら、のび太を探しにやってきた。のび太がジャイアンたちに気づくと、サッと忘れろ草を出した。ジャイアンが「なにをするんだったけ」とのび太に尋ねると、かたわらのスネ夫は「のび太をなぐるの」と怒鳴るので、ジャイアンは「のび太ってだれだっけ」と尋ねるので、のび太はそっちと指さすと、再度スネ夫が殴られることになった。
「忘れろ草」の威力に気づいたスネ夫は、「忘れろ草」を手に持って歩いているのび太に、強引ににおいをかがせ、まんまと手に入れることに成功している。往来で、十円を返して欲しいと言ってきた、しずちゃんにこの草のにおいをかがせ、忘れたことを逆手にとって、「ぼくがかした十円返すって」と言って、逆に十円をせしめている。
スネ夫はトイレに行きたくなり、急いで帰ろうとしたとき、ある物につまずいて「スッテン」と転んだひょうしに、「忘れろ草」のにおいをかいでしまった。立ち上がった、スネ夫は「なにをしてたんだっけ」と自問し、近くにいたドラえもんに「知らないか」と尋ねている。
「なにかだいじな用事で、いそいでいたような気がするけど」と腕を組んで考えていると、往来のど真ん中で、しずちゃんやのび太やドラえもんに見詰められながら、「ジョバー」と大量のおしっこを流してしまった。スネ夫は「ハッ」と気づいたけれどもあとの祭りであった。
[S0215・A0908・027103]