ウルトラストップウオッチ[★★★]

【道具解説】 ひみつ道具である『ウルトラストップウオッチ』のスイッチを押すと、世界中の時間を止めることができる。世界で動いているのは、この時計を使っている人だけになる。

 

【使用目的】 ドラえもんが「起きろっまた遅刻するぞ」とのび太を起こすと、のび太は忘れた宿題を机に向かって懸命にし出した。七時半になったが、まだ算数の宿題が150題も残っているので、のび太は間に合わないと大騒ぎしていた。

 

  ドラえもんは時計を出し、余計な心配をしないで、のび太に宿題を続けるように命令した。宿題が全部終わっても、時間はまだ前と同じ七時半であった。ドラえもんはその理由を説明してくれなかったので、のび太は学校へひとまず行くことにした。

 

のび太が今日宿題をやって来たと主張しても、先生はいつものように、耳を傾けないで、「また忘れたのかね。けしからん立っていなさい」と言われてしまった。しかし、再度やってきたと訴えると、先生は「ほんとだ。めずらしい…。すまん」と謝ってくれた。

 

帰宅後、時間のからくりを尋ねても、なかなかドラえもんは種を明かしてくれません。執拗な問い掛けに、ドラえもんは『ウルトラストップウオッチ』であると、ついに種を明かしてくれた。

 

【使用結果】 この時計を「カチ」と押すと、投げた椅子が空中で止まり、往来を歩いていたおじさんも女子学生もイヌやネコも、凍り付いたみたいに止まっていた。しかし、ボタンを押すと元の状態に戻った。のび太はこの時計を借りて、ジャイアンのいじめを懲らしめたり、スネ夫のアイスキャンデーを食べてしまったり、イヌを抱いている女の子にしずちゃんを抱かせたり、誰にも気付かれないで次から次へといたずらをした。

 

  ドラえもんにサッと取り返され、「使いすぎると人より早く年を取る」と脅され、鏡を見ると大幅にしわが増えていた。じつは、ドラえもんが「こっそり時間を止めて、のび太の顔に落書きをした」というのが真相である。

 

 このひみつ道具である『ウルトラストップウオッチ』のスイッチを押すと、世界中の時間を止めることができる。世界で動いているのは、この時計を使っている人だけになる。

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ウルトラ・スペシャル・マイティ・ストロング鎧[★★]

 ドラえもんが「すぐぼくばっかりたよりにして。まけてもいいから自分の力でぶつかってみろと」説教すると、のび太は「ジャイアンのげんこつはいたいんだから。いっぱつなぐられただけで目の前がまっくらになるんだ。せめてよろいでも着てたらけんかもできるんだけど」と反論してきた。

 

  のび太には勝てないと思ったドラえもんはひみつ道具『ウルトラ・スペシャル・マイティ・ストロング・スーパーよろい』を出し、「これはばかには見えない。それに、ばかな人だと、これを着ても、やくにたたないんだ」と付け加えている。ドラえもんから、「おいまさか…きみこのよろいが見えないほどのばかじゃないだろう」と言われたので、のび太も「み、見えるとも。いやありっぱなよろいだねえ」と答えている。

 

  のび太がジャイアンをぶんなぐってやると言いながら出かけたので、ドラえもんは「まさか本気にするとは思わなかった。『はだかの王さま』の話を知らないのか」と困り果てて、呼びに出かけている。

 

のび太が着ているような気がしないと思って歩いていると、しずちゃんに出くわしたので、このよろい見えると聞いてみると、見えるに決まっているじゃないのと言われた。たまたまよろいの展示されている古道具屋の前でのできごとだった。

 

のび太はもともとりこうだと思っていないけれども、よろいがやくに立たないほどのばかだったら困るので、一度試してみようと思った。目の前のボールと上からペンチがのび太の頭上で、「がチーン」と衝突したため、試すチャンスを逃してしまった。いつもかみつくイヌの前でよろいを試すため、仁王立ちに立っていたら、「シーザー」ごはんと呼ばれたので行ってしまった。

 

近くのいた男の子にバットで頭を、思いっきり「パカ」と殴ってもらったけれども、痛くもなく、たんこぶどころか、傷さえできていないので、のび太はよろいを本物だと思った。実際、バットはビニール製であった。

 

 よろいを本物と信じたのび太はスネ夫や安雄やはる夫に、「ジャイアンを見たら伝えてくれ。ぼくがなぐるといっていたって」とふれ回っていた。この話を聞いたジャイアンは「ころしてやるっ。そんな、なまいきなことをいってるなんて、ゆるせねえ」と息巻いていた。

 

スネ夫は「でも気をつけたほうがいいよ。もんだいはあの弱虫がなぜ、とつぜんえらそうなことをいいだしたか」と忠告した。すると、ジャイアンも、「そういえばおかしい。ひょっとしてなにかすごいものをかしてもらって…」と、めずらしく「ブル ブル」震えだした。

 

 のび太が自信たっぷり、「まっていたぞ、ジャイアン。さあ、どこからでもかかってこい」と戦いを挑んできた。すると、ジャイアンは「さっきはわるかったあやまる。おまえは、男らしいやつだ。これから親友になろうな」といって握手を求めてきた。

 

  のび太も「いいとも。けんかはすきじゃないんだ」と鷹揚に答えている。ジャイアンが「ウルトラ…よろい」の話を聞くと、「そ、そんなすごいよりいならいっぺん着てみたいな」とリクエストしてきた。

 

  のび太は「ことわっておくけど、ばかにはきかないんだって」と言いながら、ジャイアンの頭をバットで「ボカ ボカ」なぐっている。顔をゆがめたジャイアンは「いたくない、いたくない。すごいよろいだなあ」と粋がっていた。

 

 「ウルトラ・スペシャル・マイティ・ストロング鎧」の話は「はだかの王様」という話のパロディである。この話を知らないのび太はこの鎧を、無敵の防具であると勘違いしてしまった。『ドラえもん 最新ひみつ道具大事典』はひみつ道具と判断しているが、筆者はこれをひみつ道具と認めていない。。

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