ウマタケ[★★]

【道具解説】 『ウマタケ』はウマとタケの間の子で、二十二世紀の科学が生んだ新しい生きものであり、絶対にひっくり返らないでものすごいスピードの出るひみつ道具である。

 

【使用目的】 タケウマのできないのび太はひとり広場で、楽しそうにタケウマ遊びをしているジャイアン、スネ夫、しずちゃんなどを見学していた。のび太は心の中で、「いやな遊びが、はやるなあ。あんなもの、乗れたって乗れなくたって。人間の値うちとは関係ないや」と呟いていた。

 

  ジャイアンが明日タケウマ乗りコンテストをやらないかと提案した。すると、みんなは大いに賛成し、スネ夫は「もちろん、のび太も出場するんだろうな! 。あっ、おれざんこくなこといっちゃった」と言いながら頭をかき出した。


 家に帰ったのび太はドラえもんに対して、「こんなこといわれて男としてひっこんでいられる? で、ぼくはタケウマコンクールに出場を約束した!」と宣言した。その話に感動したのび太のパパは早速タケウマを作ってくれた。

 

  しかし、のび太はパパからタケウマをもらったが、ドラえもんに「こんなもの、乗れるわけがないじゃないか」と同意を求めている。のび太は最初から、スネ夫の予想していた通り、ドラえもんにひみつ道具である最新型のタケウマを出してもらおうと考えていた。

 

ドラえもんは、二十二世紀になるともうタケウマなんかはやらないので、そんなものはないと言い続けた。すると、のび太は「ウワア」と泣きながら、「ぼくが、みんなの前ではじをかいてもいいのか」と激しく訴え出した。ドラえもんはしぶしぶ、『ウマとタケの間の子であるウマタケ』をのび太に差し出している。

 

【使用結果】 ウマタケは非常にプライドの高い生きものであるため、最初のび太はウマタケを自由にコントロールできなかった。やがて、のび太が乗り慣れると、ウマタケはすごいスピードで「パカパッ」、「パカパッ」と跳びはね、明日の優勝を確信することができた。


 ウマタケは洗濯物を干すサオに似ていたので、のび太のママがサオ代わりに使うと、プライドを大いに傷つけられたため、どっかへ逃げて二度と野比家に帰って来なかった。のび太の落胆は大きく、「あした、みんなにバカにされる」と涙を流してドラえもんに訴えた。

 

  ドラえもんは「いや、これでよかったんだ。やはり、乗るならほんとのタケウマに乗るべきだ」と諭し、その晩猛特訓をのび太に課した。ドラえもんは「人にできて、きみだけにできになんてことあるもんか。きずだらけ、あざだらけになって練習しよう」とのび太を叱咤激励した。

 

 「ドラえもんは、きびしいな」といいながら、のび太は猛特訓のおかげで、タケウマに乗ることができるようになった。満身創痍になりながら、のび太は「なんだ、こんなかんたんなことが、なぜ、いままでできなかったんだろ」という感想を漏らした。

 

 逃げ出したウマタケをジャイアンが大事にすると言いながら、家に連れ帰った。しかし、剛田家では、ウマタケは馬ふんをしたり、近づくと人を蹴飛ばしたりするので、「キャー、ワー」と大変なことになってしまった。

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