浮き輪パイプとタバコ[★★]

【道具解説】 ひみつ道具である『浮き輪パイプ』で、「タバコ」を思い切り吸い込んで、「スウ」と煙を吐くと、「ポワ~」とした煙に乗って空を自由に飛び回ることができるようになる。

 

【使用目的】 のび太は六月なのに、夏に泳げなくてバカにされるため、のび太なりの対策を考えた。ドラえもんに出した条件は「つめたくなくて、広くてすいていて、ぜったいにおぼれないプールを出してよ」と身勝手なものであった。最初はそんなのあるかと断っていたが、あるひみつ道具『うきわパイプとタバコ』が閃いた。

 

【使用結果】 ドラえもんはパパに思いっきりこのタバコを吸いこんでもらい、うんと煙を「スウ~ ポワ~」と吐いてもらった。この煙をつかまえて、空に浮かび上がり、「つめたくなくて広くてすいていてぜったいにおぼれない」空のプールとなった。

 

  のび太はバタ足の練習から始めることになった。「おしりをひっこめる。足はまっすぐに!」といった基本を習い、「バタ バタ」足を動かすと前に進むようになった。ドラえもんから次に、平泳ぎを教えるからといわれたが、断ってかってに遊んでいるほうがおもしろいものと別行動を取りだした。

 

  しずちゃんに会ったので、しずちゃんにもパパに頼んで煙の浮き輪を「ポワ~」と作ってもらった。すると、お魚になったみたいととても楽しそうであった。

 

 町内の子どもたちものび太のパパに煙の浮き輪を作ってもらったので、すっかり空もこんでにぎやかになってきた。ジャイアンが「おーい、だれがいちばんはやくおよぐか、きょうそうしようぜ」となった。

 

  のび太は「またくだらないことを」と思ったが、ジャイアンの「よーいドン」の合図でスタートを切ると、のび太は煙の浮き輪から「スポ わあ~ ザバン アップ アップ ドラえも~ン」と池の落っこちてしまった。

 

  勘違いしたドラえもんは「そうか、やっと本気でおよぎのけいこをする気になったか。それはよかった。もっとしりをひっこめて。あしはまっすぐのばして」と空から懸命に指示を出した。一方、ほんとうにおぼれているのび太は「ちがうんだよ~、ブク ブク」というのが精一杯であった。

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