いつでもスキー帽[★★]
【道具解説】 ひみつ道具である『いつでもスキー帽』を被ると、被った人のみ雪を見ることができる。その雪に触ったり、スキーで滑ったりすることもできる。「いつでもスキー帽」のダイヤルを調整すると、雪の深さを自由に設定できる。帽子を脱ぐと、雪は消えてしまう。
【使用目的】 のび太は季節が終わると、その季節にできなかったことを嘆くのがひとつの慣例になっていた。春になると、もっとスキーをすればよかった、とか、一生ぼくはスキーを滑れないと、大声でわめき出した。ドラえもんはやれやれと思いながら、「いつでもスキー帽」を出している。
【使用結果】 桜の咲いている広場で、この帽子のダイヤルを五十センチにセットすると、大雪の降り積もった雪の広場になった。ゲレンデになっていないので、『坂道レバー』を出してもらって、前に倒しながら緩い坂道で、のび太は滑りの練習を始めた。広場にはしずちゃんがいたので、手を振ると、バランスを崩して「スッテン」と転び、そのはずみで帽子が脱げてしまった。
すると、雪も消え、地面に放り出された。しずちゃんもドラえもんからこの帽子を借り、一緒にスキーをすることになった。しずちゃんは「坂道レバー」をあっという間にマスターして、「スイ スイ」と滑れるようになった。一方、のび太は滑っている時間よりも、「ゴロ ゴロ」転がっている時間のほうが長い状態であった。
ジャイアンとスネ夫が二人を見つけて追い掛けてきたので、帽子のダイヤルを操作して雪をもっと深くして、大雪の町の見物に出掛けてしまった。スネ夫は帽子に秘密があると考え、ドラえもんに屋根の上にボールを引っかけたので、高いところに手の届く道具を出してほしいと頼んでいる。『ジャック豆』を借りたので、それを使って高いところにいた二人の帽子を「スポ」と奪うことに成功している。ダイヤルを回すと雪がどんどん増え、はるか向こうに東京タワーのてっぺんが見えるようになった。
帽子を取られたことをドラえもんに報告すると、意外や意外、しばらくほっとけばいいとの返事であった。二人は雪を消したら、二百メートル真っ逆さまに落ちるのでどうしていいかわからず、のび太がドラえもんと一緒に『タケコプター』を使って探しに行くと、高い空中で二人は抱き合って泣き崩れていた。
[S11201・A21006・038004:015]