ココロコロン[★★]
[初出誌] 『ココロコロン』、「小学一年生」1979年11月号、7頁、42コマ
[単行本] 『ココロコロン』、「てんとう虫コミックス ドラえもん短編第20巻」1982年4月25日 初版第1刷発行、7頁、42コマ
[大全集] 『ココロコロン』、「藤子・F・不二雄大全集 ドラえもん 12」2011年3月30日 初版第1刷発行、7頁、42コマ
【初出誌vs.大全集】
「と、いうわけなんだ」が「と、いうわけなんで」に変更[64(1)]
「まがりかどで人ぎょうを見ればいいんだ」が「曲がり角へ来るたびに人形を見ればいいんだ」に変更[65(5)]
「やあだ」が「や~だ」に変更[66(1)]
「お人ぎょうのまあちゃんがきてから、一人でねむれるようになったんだわ」が「そうそう、あの子が来てからひとりでおねんねできたんだわ」に変更[67(6)]
[梗概] 怖い犬がお人形をくわえていたので、のび太はしずちゃんからお人形を助けてほしいと頼まれた。のび太はバットを持って、「ブル ブル」震えながら、しかも、しずちゃんを盾に、「やいこら、はなせ」と脅している。無事人形を取り戻すことができたが、のび太は満身創痍であった。
やさしいしずちゃんは人形のほころびを針で直しながら、「持ち主はきっと心配しているでしょうね」と尋ねるので、のび太はドラえもんに持ち主を捜してもらうことにした。すると、ドラえもんは人形の心がわかるひみつ道具『ココロコロン』を人形にふりかけた。三人は人形を持ち出して、外を歩いていると、持ち主に近づくにつれて、人形の顔はどんどん明るくうれしそうになってきた。こうして持ち主を発見し、人形を持ち主に差し出すと、「それすてたのよ」という残酷な返事であった。
しずちゃんがもらって、一緒に寝ていると、持ち主が恋しいのか、人形は「グスン…、グスン…」と泣き出した。心配になって、再度、ドラえもんに相談すると、ドラえもんはその人形にひみつ道具の『オモイデコロン』をふりかけてくれた。すると、持ち主の女の子の心に、「人形の中にこもっている思い出が、つぎからつぎのうかびあがってきた」例えば、毎晩一緒に寝た思い出、一番の仲良しのお友だち、「いやなことがあっても、まあちゃんと遊ぶとすぐ忘れたっけ」というものであった。
女の子は涙を流し、ベットで「まあちゃん…」と呟いていると、窓の外で、「グスン…、グスン…」と泣く人形の声が聞こえてきた。外に出た女の子が「まあちゃんごめんね。もうぜったいすてたりしないからね」と人形をしっかり抱きしめている姿を確認しながら、三人は「タケコプター」で家路に向かうことができた。
[S1208・A2017・017911]