アリガターヤ[★★★]

【道具解説】 『アリガターヤ』というリングを神さまのように頭の上に浮かべると、「だれでも、言うことを聞き、なにをいっても、ありがたいおことばのように聞こえる」ひみつ道具である。ひと言発すると辺りの者は「ポワ~ン」となり、紫の霧が立ち込め、花びらが散り、なんだかありがたいムードになる。

 

【使用目的】 のび太は誰のいうことでも聞くが、誰もぼくのいうことを聞いてくれないので、世の中がいやになっていた。そこで、みんながいうことを聞いてくれるように、ドラえもんから「アリガターヤ」を出してもらっている。

 

【使用結果】  のび太がこの道具をつけて、ドラえもんに「このカバンをスネ夫とジャイアンの家にとどけて」と告げると、ドラえもんはオーバーなほど、鼻歌交じりで喜び勇んで、カバンを届けにいった。ママに宿題を頼むと、「ラン ラン ララララン」と歌いながら、ママは宿題を始めた。

 

 のび太はイヌに追われたが、助けてと叫ぶと、イヌにも効き、イヌをチンチンさせたり、お回りさせたりして、自由自在にコントロールすることができた。学校で野球をやっていたので、のび太がひと言しゃべると、ジャイアンは「ドバー」と涙を流しながら、「どうぞ、おれのかわり」と交代してくれ、スネ夫も他の選手も涙を流しながら、ごもっとも、ありがとうございますという言葉の連続であった。のび太が野球なんかやめようというと、みんな「ハーイ」と賛成してくれた。

 

 のび太がみんなからリンゴやケーキの歓待を受け、「カラスの色は白いぞ」と発言すると、スネ夫は「はいはい、まっ白でございます」と答えている。ドラえもんから調子に乗るなといわれても、「ベエ」といえば、ドラえもんにとって「ありがたいお言葉!」となり、のび太は有頂天になってしまった。

 

 のび太が「やめられないや」と言いながら、歩いていると、強い風が頭の上のリング(アリガターヤ)を吹き飛ばしてしまった。のび太が追い掛けると、リングはイヌの頭の上に乗って、輝き出した。帰りが遅く、心配になったドラえもんが出掛けて探し回ると、イヌに「ワン」とほええられ、のび太は「ありがたいおことば」と言い、電柱に片足を挙げながら、おしっこかけるしぐさをしている最中だった。

[S01555B03080047108327]