悪運ダイヤ[★★]
【道具解説】 ひみつ道具である『悪運ダイヤ』をのび太に持ってもらい、ドラえもんが金づちで自分の頭を「ゴチン」と叩くと、ドラえもんは平気であった。しかし、のび太は「アイ タタ タッタ」と頭を抱えて、転げ回ることになった。このように悪いできごとを、ダイヤといっしょに人にうつすことができる。
【使用目的】 のび太はきょうも、外を歩くと「ツルリ ステン」と転び、電気工事をしていた人が落としたペンチを頭に「ゴチ」と受けている。家の廊下では、ママの落とした画びょうを踏んで「ピギャア」と絶叫している。本当に運の悪いのび太を見て、ドラえもんはひみつ道具『悪運ダイヤ』を出している。
【使用結果】 悪運をだれかにうつすため、のび太はこのダイヤを持って、外に出かけた。しかし、いざとなると気の毒で、なかなかダイヤを渡す人が見つからなかった。そこで、わざと道に落とすことにした。やがて、しずちゃんが「まあきれい!!」といって拾おうとしたので、まずいと思ってふたりは「ダ ダ ダ だ」と塀のかげから飛び出した。ドラえもんがダイヤを拾うと、横でのび太が「ステン」と転んだので、ドラえもんが「アイタ」と叫んでいる。
路上でだれもダイヤを拾おうとしなかったが、スネ夫がやってきて、「さっき落としていった」ものだと言いながら持っていってしまった。安全になったとたん転びもしなくなったので、のび太はやってきたジャイアンに、「ジャイアンのばか」と怒鳴った。ジャイアンが「カッ カッ カッ」とし、「なにィ!? ぶんなぐってやる!!」と近づいてきた。そこへ、先ほどダイヤを持っていったスネ夫が「良心がゆるさない」と言って、強引にのび太のポケットに入れて帰ってしまった。「グイ」とジャイアンに首根っこをつかまれ、なぐられる寸前に、ドラえもんが「タケコプター」を使って、空中に避難させてくれた。
家に帰って横になっていたら、「だれかがぼくのかわりにひどいめにあうなんて悪いもの」という考えになり、のび太は外へダイヤを探しに出かけた。しばらくすると、のび太は他人からなぐられても、全然頭が痛くなかったので、だれが拾ったかを見つけるため、ドラえもんに頭をトンカチで「ゴチゴチ」なぐってもらって、町の中を歩いていた。よそ見していたら、「ドブン」とミゾに落ちたが、全然濡れなかった。
その頃、ジャイアンは顔を真っ赤にして、「やたらに頭がゴチゴチいたいし、とつぜんずぶぬれになるし、おれはもう頭にきた!!」と怒りまくっていた。のび太がドラえもんに頭をトンカチでなぐられている姿を見て、「ウオー」と近づいてきて、のび太の胸倉をつかんで、「ボカ ボカ ボカ」となぐりまくった。ジャイアンが満身創痍で、「アイタタ アイタ~」と絶叫し、七転八倒しているのを見て、ジャイアンがダイヤを持っていることがわかった。この光景を見て、ドラえもんは「もうしばらく持たせておこうか」とのび太に話している。
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