温泉に入ったあと、部屋でうつらうつらしていて…夕食の準備ができたと、放送があったので食堂へ。
 
とても広い食堂で…大きな会議室みたい。300人ぐらい一緒にご飯たべれるんじゃね??ってぐらい。

向かい合わせのテーブルが3列。真ん中の列、舞台側に、一列になって、食事が用意されていた。

名札があったけど、座席側じゃなくて、向かいにむかって表示されていたので…名前を確認してからテーブルを回って着座した。

 

お一人が、時間ギリギリにお風呂から出られたようで…着替えのため、少し遅れるとのことで、先にいただくことになりました。

食事も修行のひとつ。なので、浴衣では食事は頂けないのです。

 

食事前に皆でそろって「頂きます」を意味する 「五観の偈」 を唱えます。

 

ひとつにはこう多少たしょうはかり 来処らいしょはか

ふたつにはおのれ徳行とくぎょうの 全欠をぜんけっ(と)はかっておう

つにはしんふせとがはなるることは 貪等とんとうしゅうとす

つにはまさ良薬りょうやくこととするは 形枯ぎょうこりょうぜんがためなり

いつつには成道じょうどうためゆえに 今此いまこじき

 

意味は、 

 食材の命の尊さと、かけられた多くの手間と苦労に思いをめぐらせよう 

 この食事をいただくに値する正しき行いをなそうと努めているか反省しよう

 むさぼり、怒り、愚かさなど過ちにつながる迷いの心を誡めていただこう

 欲望を満たすためではなく健康を保つための良き薬として受け止めよう

 皆で共に仏道を成すことを願い、ありがたくこの食事をいただきましょう 

 

 

食事は修行をするために身体の機能維持のための薬だと…ゆうことで…粗食を思っていたのですが… 肉、魚を使っていない精進料理ではありますが、とても豪華でボリュームがありました…ご飯は少なく盛ってありますが、女性なら十分すぎるかと。男性はご飯をお代わりされていた方がいました。

 

 

お味は美味しかったです。甘いな…と思うものもありましたが、修行僧の唯一の楽しみであるだろうし、甘みを強くしてあるのかな??それとも土地柄なのかな??と思いました。
 
量が多くて、食べきるのに苦労しました…

 

食事後は食前と同じく、お経?を唱えます。

 

願わくはこの功徳をもってあまねく一切におよぼし

我らと衆生と皆ともに仏道を成ぜんことを。

 

これでご馳走様の意となります。

 
お遍路でもお経を唱えた最後に唱える文言です。

お遍路の時は最後がすこし違って「…仏道を成ぜん」でした。

 

 

夕食後、まだ外が少し明るくて… 

風が少し強いけど、なんか無性に浄土浜に呼ばれてる気がして。
 

 

一人で向かいました。

 

風が強くて、雨も時折降っていたので、傘と、暗くなったら危ないので懐中電灯とをもって。

 

足元の悪い中、風に吹かれながら。

 

薄暗い中、本当に、誰も居ない一人だけの地獄めぐり… 熊のことなどすっかり忘れておりました。

ただただ、「行かなきゃ」って思って。

足元の砂は白くて、細かいけど細かすぎず、ザッ、ザッと、一足ごとに砂を踏みしめる音がしました。

 

 

極楽浜に着くと、東日本大震災慰霊碑の横に東屋があって、ベンチもあって、座れるようになっていて…。

そこに座って、ぼーーーっと、薄暗い中、独り、風と、時折の雨と、湖面が風で波立つ音、そして風車の回る音。

 

薄明るかった空も少しずつ…暗くなってきて。

それでも、立ち去り難く、ぼーっと、主人の事を想いながら、湖を見つめていました。

 

しばらくすると背後から、ザッ、ザッと砂を踏む音がしたので、誰か来たのかな??と、振り返っても誰も居ません。

??と、思いながらまた湖を見ていると、また砂を踏む音がして、後ろから左に回って、足音が止まりました。

 

もう一度見ても誰も居ない…。

(ケンちゃん??)

思わず、声をかけそうになったけど、亡き人の姿を見つけて声を掛けたら「鬼が来た」と逃げて行った…とゆうのを読んだことがあったので…声を出さずに、心の中で

(ケンちゃん?会いに来てくれた??会いたくてここまで来たよ。ずっと好きよ。見えなくてもそばに居てね)

と…伝えました。

 

風が吹いてて、雨もパラパラ降ってて…寒いはずなのに、寒くなくて、温かい気持ちでいっぱいで。

 

…心霊現象とか、そんなんで軽くは言いたくはない。

でも、確かに、砂を踏みしめる足音は聞いたし、私の側で止まったし、怖さは無くて、ただただ、温かい気持ちになれたし。

 

会いたくて会いたくて、その気持ちが生んだ幻聴なのかもしれない。

それでもいい。

主人は確かに来たんだと。会いに来てくれたと。

私がそう、思うなら、それが事実なんだと…。

 

しばらくしてから、満足して極楽浜を後にしました。

 

 

宿坊に帰る途中、やぱりちょっと寒くなって、どうせなら?と、外の温泉に入ることに。

温泉小屋の扉を開けるといきなりコレです。きゃー♪すごい!クラシカル♪バケツが木の桶だったら、江戸時代って言っても通るような気がする。

脱衣所に棚はありますが、鍵付きロッカーどころか籠もありません。

信仰の場なので、悪いことする人は居ないですよね。

 

 

一人だったので、気にせず入りましたが、多分、主人も付いてきて一緒に入ったのかなー?ってw

お湯が暑かったので、水道で少し薄めて入りました。

 

 

 

部屋にもどって、主人の写真と一緒に眠りました。
 
来てよかった…。