data;2012.1.17 写真;○
・原産地;アイルランド/アメリカ
・別名;ジャック・ラッセル・テリア(アイルランドライン)、アイルランド系
・愛称;アイリッシュジャック、愛系、愛ジャック
・使役;キツネ、ウサギ猟(地中猟)
・サイズ;?
・状況;アメリカ、アイルランド限定
~歴史~
:その名の通り、ジャック・ラッセル・テリアのアイルランドバージョンである。
ジャックラッセルと起源は同じで、ジャック・ラッセル・ワーキング・テリアがアイルランドに渡ってきて生まれたものである。アイルランドで独自の改良がおこなわれ、一つの系統種として発展した。
イギリスやオーストラリアの系統とは別の犬になったものの、もともとジャックラッセルはワーキング・ドッグなので全て容認範囲内の変種(系統種)としてまとめて扱われることになった。
1900年代、アイルランドからアメリカへ多くの移民が渡った時、アイリッシュジャックも主人たちと一緒に新世界へ渡った。新天地で更に改良や固定が進められ、アイリッシュジャック専門の犬種クラブも設立された(のちにより改良されたものがアメリカ系として派生、アイリッシュジャックとは別なものとなっていった)。
2006年にAKCに公認、翌年米愛両国のアイリッシュジャックブリーダーが
3千人を超えたことが確認された。
~特徴~
:他のジャックラッセルと比べるとやや小ぶりで、フォックステリアのようなスクウェアな体型をしている。脚は長すぎず短すぎずで、キツネの穴に潜りやすいようになっている。
引き締まった体つきで、耳は通常ボタン耳で時折立ち耳もおり、尾は飾り毛の無い垂れ尾だが3分の2ほどの長さに断尾して立たせることもある。
コートはスムースコートで、毛色はホワイトベースにタンなどの斑が入ったもの。
性格は明るく活発、イタズラ好きで人懐っこい。テリア・キャラクターにより頑固で気が強く狩猟本能が旺盛な面もある。自分が興味を持ったことはどこまでも追及する。身体能力は高く、活発で運動量が多く元気の塊と評される。テリアだけに穴掘りも大好きだ。
・追伸&雑記
:ジャックラッセルは「世界で最も有名な雑種」と言われるように、変種や変タイプ、毛違いがおぞましいほど多いことで知られています。これの毛違いやFCI公認タイプ、国による変種・変タイプはのちのちどっさりと出てくるので、見飽きないようにご注意くださいm( )m
イングランド系が英系、アメリカ系が米系と表記されるように、国の漢字表記の頭文字をとってアイルランド系は愛系(アイルランド:愛蘭)と表記します。
愛系ジャックも繁殖者による外見上の変異は大きいようです。
※原産地について
:「黒狗の総犬種辞典、始めます。」のページでも軽く説明しましたが、犬種の原産地は通常、初めて改良がおこなわれた国がそれとして扱われます。
しかしすべてがそうという訳ではなく、発祥地の説が専門家によって違っていたり、原産国が不明だったり、所属不明・未定の種も少なくありません。
又、ユーゴ圏の犬種のように原産国の分断で所属する国が変更となり、本来生まれた場所ではない地域が原産国になっているというケースもあります。
この愛系ジャックのように2か国以上の地域が原産地となっている場合は、表記された国がいずれも犬種の誕生・発展に大きくかかわっているということを表しています。
尚、FCIで公認された原産地が実際の原産地ではないという面倒な犬種もあります(マルチーズ、ダルメシアンなど)。