母が入居してから4か月が経った。
薬の副作用か認知症が進んだのかわからないが、だいぶ衰えた。
ただ、リスぺりドンを半分に減らしてから行動が活発になり、前の状況に戻りかけている。
今回は足取りにも不安が出てきている分、転倒もしやすくなっているので、常にヘルパーさんの目の届くところに置かれている。
トイレも失敗が多くなったし、痰が絡んでいるせいで食事にも気を使う毎日だ。
だから、差し入れも考えてしまう・・・

当初考えていた生活にはならなかった。
でも、施設でこれだけ苦労していることを家でというのはやっぱり難しかったんじゃないか、と自分に言い聞かせる。

・・・施設に任せたことで、家の中が平穏になったか・・・いや、いったん壊れたものは修復しがたくなっている。
元々の私にも悪いところはいっぱいあって、主人は相当我慢していたんだろうけれど、母との同居を経てそれが増幅したような気がする。

同居を言い出したのは主人。
私は、慣れない遠距離通勤や、これをきっかけに母がぼけてしまうんじゃないか、という不安を覚えたが、言い出したところできっと聞き入れてもらえないだろうと思って主人の提案に従った。

でも、予感は的中。
しかも、母の認知症はすでに発症していて、こんなスピードで進むなどとは予想外だった。
同居は家族にとっても母にとっても地獄だった。
はじめは私を心配してくれていた家族たちも、自分の身を守ることに精いっぱいになり、思いやる気持ちなどどこかへすっ飛んでしまった。
そして、母の姿と私を重ね合わせて見るようになったような気がする。

そうなると事態は最悪である。
同居を始めて狂い出した家族関係を、母の入居によって修復できると思ったが、バカな私は「なんとかなるさ」の精神で今週末に人様の前でピアノを弾くことにしてしまった・・・

今週だけは見逃して!と心で叫びながら練習に専念するつもりだった。
終わったら家族のために家事もしっかりやろう、主人と二人で出かける時間も持ってこの一年半で崩れかけたものを修復しよう、母との時間も増やそう、と心に決めているのに・・・

母が今のようになったのも同居が原因なんじゃないか、同居さえしなければ・・・との気持ちはいつまでもぬぐえない。

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リスぺりドンの量を減らして3日経った金曜日に母の所に行ってみた。
いつものようにドリップコーヒーをポットに入れて、いただいたお菓子を持って。

母の居るフロアにエレベーターで昇っていき、ドアが開いた瞬間驚いた。

いつもは部屋でベッドに横たわろうとしているか、ひとり廊下をさまよっているかなのに、ロビーのテーブルにおとなしく座っているではないか!
しかも、他の人に交じって・・・

コーヒー持ってきたから部屋で飲もう、と誘って母の部屋に戻った。
いつもより足取りが軽いような気がした。
ベッドに腰掛けて飲むように言ったら、私が用意している間にさっさと座っていた。

会話はなんだかちぐはぐだけど、家にいる時とは違って穏やかな時間が流れる。
母の好みに合わせてミルクだけ入れて渡したら、「お砂糖も」と言う。
少し好みが変わった?
お砂糖の代わりにお菓子を差し出すと、ペロリと平らげた。
そりゃそうだよね。ホームじゃこんなおいしいお菓子出ないよね。

お菓子をゆっくり食べている母を見ていたら、なんだかちょっと熱くなってきた。
2年前には一緒に遠い遠い出雲まで旅行したのにね。
近頃、朝ドラに加納伝助様が出てきたり、神田沙也加ちゃんが親の七光りをはねのけて頑張ってるなんて記事を読んだりするとふいに涙が出てきてしまう。
妙に涙もろくなった気がしていたが、それにしても母に対して多少のわだかまりを持っている私がこんな気持ちになるなんて・・・ちょっと驚きだ
それだけ心に余裕ができたのかな。

とりあえず、薬を減らしても今のところ問題はなさそうだ。
トイレの失敗は増えてるけれど、尿意があるので紙おむつにはしない方針のようだ。
このままここの生活に慣れてくれるといいな。

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昨日は3週間ぶりの通院日。

早めに出ようと思って行ったのに、母を車に乗せるのに30分も掛かってしまった。

乗りたくないのか、薬のせいで足があげられないのか、どうにもこうにもできなくて、結局ケアマネさん(男性)に抱きかかえて乗せてもらった。


薬を変えてから、目を閉じて歩いていることが増えた。

表情も乏しい。

でも、毎日廊下をかなり長いこと歩き回っているらしいので、運動機能がそこまで落ちてはいないみたいだ。


理解力も落ちたように思う。というか、反応が薄い。

言葉も出にくい。

母の頭の中がどうなっているのか、傍から見たらわからない。

でも、頑として動かないことも多いので、そういうところで意思表示しているのかな。

それとも物理的に動かせないのか・・・


そんなんだから、病院についてもなかなか診察室にたどり着けない。

見かねて車いすを持ってきてくれるスタッフさんもいるのだが、母は座ろうとしない。

結局、手を曳いて牛歩のごとく進むしかない。


先生も待ちきれず、診察室の外まで出てきた。

でもかえって、診察室の外での母の様子を見てもらえてよかったと思う。


診察室に入っても、なかなか椅子に座ろうとしない。

みんな困り果てて、立ったままでも仕方ない、となったが、結局は座ってくれた。

そんな素の母を見て、先生も感じるところがあったと思う。


とりあえず、大声出したりする迷惑行為は減ったので、薬を減らしてみましょうと言うことになった。

あまり長いこと使いたくない薬でもある。

このままの状態を維持しつつ、運動機能や言葉が戻ってきてくれたらいいんだけれど、ちょっとドキドキ・・・


帰りはさすがに疲れたようで、車いすに乗ってくれた。

あ~、楽チン!

病院のコンビニでポカリスエットを買って飲んでもらった。

日頃空調の効いた所にしかいないから、この猛暑辛かったんじゃないかと思う。


ホームに帰ったら疲れたのかすぐにベッドに入った。

私が「疲れたでしょ」と言ったら、「あなたこそ」と返ってきた。

久しぶりに聞いた母の気遣いの言葉。


寝入った母のベッドを見たら、メガネがこんなところに置いてあった。

母なりに考えてるんだな、と感じたひとコマ。

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母が落ち着いてきて以来、週に1、2度は顔を出すようにしている。

施設も入居者がかなり増えた。

中には普通に歩いて職員さんと楽しそうに会話している人もいる。

職員さんの雰囲気もだいぶ落ち着いてきている。


先日お会いしたおじいちゃんは離れた他県から、子供の家がこちらの方だからと入居してきたみたいだった。

家がこちらの方と言っても、それなりに車で時間がかかる場所のようで、「全然会いに来てくれない。寂しいよ。」とぼやいていた。

普通に会話できる感じだったので、いつ入居したのか訊いたら、「半年前かな。一年は経っていない。」と言っていた。

ここはオープンしてまだそんなに経っていない。やっぱり認知症なのだろう。

おじいちゃんの言葉に、こんなに近い施設に入居できたのはありがたいことだと思った。



最近は、妹と待ち合わせるようにして母の所に行くことが多い。

たぶん施設では出ないであろうドリップコーヒーを持って・・・。

母はコーヒー好きで、毎月豆を取り寄せているほどだった。

主人や子供たちはわざわざ挽いて飲むのが面倒らしく、インスタントで済ませてしまうから豆が余るようになった。

でも、なんだか取り寄せを中止できずにいる。


母と妹と3人一緒の部屋にいると、一生懸命母と会話しようとしてしまう。

でも、母の理解力は相当落ちていて、話していることがなかなか理解できないし、言葉も返しにくそうだ。


そんな状況の中でなんとかコミュニケーションを図ろうと頑張るものだから、母は混乱しているんじゃないかと思う。

だんだん時間がたつと苛立ってきているような気がする。


あ~、余計な情報を入れちゃいけないんだ。

母のリズムを乱すとよくないんだ。

最近、また他の部屋を開けて入ってしまったり、トイレの失敗が多くなっている、と職員さんから聞く。

母がおとなしくなったと思って、以前より顔を出す回数が増えたのも原因なのかとも思ったり・・・


薬の効き目も薄れてきたのか・・・

今までも飲みはじめは効いているように思っても、結局元に戻って大変なことに・・・と言うパターンが繰り返されてきた。

またか・・・という思い。

なんとかここで踏みとどまってよね。

そのためにも、頻繁に私たちが行って母の頭の中を混乱させてはいけないのかな・・・



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長いことこのブログを放置してしまいました。
ご心配いただいた方、ごめんなさい。

あれから1ヶ月以上経った。
もうどうしようもない所まで来て、精神病院を調べ始めたりしていた。
包括に泣きついた1年前、受診を拒む母にホトホト参っていた時、流れは精神病院入院に傾いていた。
意見書まで書いてもらったが、その選択は私にはできなかった。

でも、結局はそこに行き着かざるを得ないのか、と今回は観念した。
主人や子供達が家を出て家族バラバラになる決断ができない限り、母の居場所を探さなくてはならない。
かかりつけの病院の医療相談にも行ったが、暴言暴力が出ているとどこの施設でも受け入れは難しいという答え。
一体どうすればいいんだ!

とりあえず、次の受診までは記録を取りながら置いてくれたので、施設が残した記録を持って私一人で病院に行った。

行きがてらその記録に目を通したが、言葉を失うような出来事のオンパレード。
事前に精神科の先生には電話で状況を話しておいたが、さすがにそこに記されたものを見て、先生も手を打たざるを得ないようだった。
今まで身体のことを考慮して強い薬は出されていなかったが、方針変更でリスペリドンが処方された。
できれば出したくなかったんだろうな。

人によっては寝てばかりになってしまう薬なので、飲まずに済めばそれに越したことはない。
でも、施設でも何人か服用している人がいるらしい。
手のつけようのなかった母が、薬を始めた途端おとなしくなった。
大声や手を出したり、介護を拒否することがほとんどなくなったらしい。
お風呂にも入れるようになったとは驚きだ。

ただ、紙をつまらせて水が溢れ出したりやっぱり行動のトラブルはあるので、部屋から紙類は撤去してある。
不便だが、かえって余計な情報がない分、母の頭もスッキリしてるのかもとも思う。

まあ、こんな生活が母にとって良いかはわからない。
でも、周りとのトラブルが減った分、穏やかな生活は送れるのだから…。

そうはいっても、表現できないだけなのかも、と思うこともある。
嫌なことがあると動かなかったりもするから。
それに私のことわかってない気もするけれど、母と穏やかに過ごせる時間が増えたのは確かである。

一つだけ気になること。
母の妹が、電話で話すたびに「本人は納得しているのか?」と聞いてくる。
納得できるくらいの冷静な判断が下せるなら施設になんか入れないよ~、と心の中でつぶやく私がいる。

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