10日の新興市場は、総じて堅調な展開となった。政府、日銀の踊り場脱却宣言、良好な経済指標(機械受注やオフィス空室率など)、NY株の上昇、寄付き前の外資系証券動向の大幅な買い越しなど、ポジティブ材料が相次ぎ投資家心理が好転した。この日は、相場活況を背景にEトレード、マネックスなどの証券が商いを伴なって上昇したほか、好業績銘柄に値を飛ばす銘柄が散見された。ただ、東証1部市場が後場一段高となる一方で、マザーズ市場の主力株(ライブドア、フィンテック、AMI、一休など)下げに転たほか、分割発表を発表したランドが売り込まれるなど、活況相場に水を差す兆候も出てきており注意したい。 

 ちなみに、東証1部市場では日経平均が12000円台を回復、TOPIXは約4年ぶりの高値を更新し、年初来高値銘柄も164(全上場銘柄の10%)にも及ぶが、新興市場では直近の株価急落がたたり高値を抜ける銘柄はまだ少ない。市場別では、ジャスダックは29銘柄(同3.7%)、マザーズ3銘柄(同2.2%)、ヘラクレス2銘柄(1.7銘柄)と東証1部との差は歴然となっている。