計画的サイレント御曹司・彩風咲奈 | 宝塚に出戻った男のブログ

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出戻りのため気持ちは初心者。そんな30代入りたての男がなんとなく宝塚のことを綴ります。

ブログを始めた今も、
暇があれば人様のブログにお邪魔して色々記事を拝見している私ですが
驚くほど話題に上らないスターがいます。

それは、彩風咲奈です。

ここ最近だけでなく、体感だとこの2年ほど、
公演中以外で話題に上ることがほぼ皆無な気がするのは、なぜでしょう?
 

まずは改めて彼女のプロフィールを。

彩風咲奈は93期生首席入団。
スターの登竜門・阪急阪神の初詣ポスターモデル経験者です。
研3で新人公演初主演し、そのまま主演回数5回(現役スターの中では最多)。
バウ主演も東上主演ももちろん経験済みで、現在雪組の正2番手。

このデータだけ見ると、
この超絶御曹司め!!とやっかまれても仕方ない扱いですが
あまりそういう罵倒を聞きません。

それもそのはず、彼女はこれまで、
笑っちゃうほど番手レースに絡んできてないからです。
 

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彼女は雪組伝統・一人っ子政策の申し子なわけですが
振り返れば、下手な反感を買わないよう上手に育てられてきました。

まずは、他組と違い前後に明確なスター候補生を生み出しまくるわけではなく、
次代の一人っ子・永久輝せあとは4期も離してあること。

そして、特別扱いしているように見え過ぎないよう、
1期上の彩凪翔(新公主演2回)を風除けに、彩彩コンビとして研鑽を積ませたこと。

それから徐々に彩凪と扱いを変えていって
『SUPER VOYAGER!』でちゃっかり2番手羽を背負わせ、正2番手にしたこと。

ここまで見ると、ものすごーく順風満帆なスター人生ですよね。
 
 
そして現在の宝塚全体の人事の懸案事項といえば。

明日海・望海がいつまでスターを続けるのか、
美弥が果たしてトップスターになれるのか、
七海・凪七にラストチャンスが存在するのか、という89期生問題。

朝夏退団に伴い、愛月が二番手に上がるかと思いきや、
まさかの芹香組替えに伴う93期生宙組バトル。
(そして専科へ異動になる同期・愛月の今後についても含む)

柚香・礼がいつトップに就任するのか、その相手役や2番手が誰なのか
月城がどのように番手が上がっていくのか、
桜木・朝美・水舞・瀬央の扱いがどう変わっていくか、という95期生問題。
 
 
これだけ各組がバトっているにも関わらず、
なんと彩風咲奈、全くかすってすらいません。
そりゃ話題に上らないのも当然というものです。

もはや、ここまでくると
上手に守られているなぁ、という感想しか抱けませんよね。
 
 
 
彼女がもし、雪組で生え抜きトップスターになれば
悲劇のスター・音月桂以来です。

音月桂といえば、雪組の超御曹司として大切に育てられ、
若手時代から人気も実力も備わっており、
たぶん100周年トップスターの一人として活躍する予定の「はず」の人でした。

が、ご存じの通り
彩吹真央の2番手退団、夢華あみの抜擢、超絶問題作『仮面の男』という大不運が重なり、
結果として4作で退団します。

彼女がどうして退団を決めたのかは分かりませんが、
トップ就任前後は常に逆風が吹き荒れ続けていたのは事実ですから、
まさに悲劇のスターだと言えるでしょう。

そんな音月と彩風は、くしくも新公主演回数が5回と一緒。
音月のお披露目である『ロミオとジュリエット』も
退団作である『JIN-仁-』も、音月の役を演じた(つまり新公主演した)のは、彩風です。

なんとなくですが、今の彩風の番手の上がり方を見ると、
音月と同じ轍を踏ませたくない、という
劇団の配慮を感じるような気がしなくもなかったり。

ともすれば、「話題に上らない」というのは
劇団側にとってみれば「上手くいっている」ということなのかもしれません。
 
 
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しかしながら。
雪組2番手になった彼女の、スターとしての輝きは目覚ましいものがあります。
 
『ひかりふる路』では、ダントンといういかにも宝塚的な男クサい役を熱演し、
『凱旋門』では、華やかなビジュアルでありながら抑えた演技をこなし、
舞台人として大きく成長したことが素人でも手に取るように分かります。

そしてショー。『SUPER VOYAGER!』では、例のララランド的な場面は、
ダンスが得意な彼女が中心であるからこそ成り立つものであり
宝塚歌劇団年度賞を受賞したのも頷けるほどの出来栄えでした。

私が劇場で見たとき、隣に座っていた初観劇という男性2人と女性1人が
終演後にこのシーンが良かったと興奮していたのを今でも鮮明に覚えています。
 
『Gato Bonito!!』では、銀髪・浅黒い肌がチャラ過ぎて似合うこと似合うこと。笑
長い手足にキザりが似合う風貌で、宝塚の男役としての「風格」を感じました。
 
薄々お気づきかと思いますが、私は基本的に歌唱力重視ジェンヌが好きなので
彩風に関しては割とフラットな感情しか抱いていなかったのですが
こういうキラキラ系・ダンス特化スターも素敵やん、と
初めて思わせてくれたのが彼女でした。

そんなわけで、彩風咲奈は
御曹司教育の成功版だと個人的には思います。
 

もちろん、伸びしろはまだまだありますので、
トップスター就任まであと2年くらいはあるでしょうから、
これからも実力を磨き続け、立派なスターになって欲しいと応援しています。

ということで皆さん、
次回『ファントム』ではぜひ彼女にも注目して下さいね。笑
 
 

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